セゾン情報システムズ(内田和弘社長)は、ファイル転送ツール「HULFT(ハルフト)」をIoTシステム向けに最適化したIoTデータ連携ツール「HULFT IoT」の販売を開始した。接続エージェント数100単位で販売し、通常版が月額10万円、24時間サポート付ライセンスは月額20万円(ともに税別)。販売パートナーを通じて提供し、初年度300社への導入を目標としている。

 HULFT IoTは、製造装置や車載システム、カメラなどにインストールする「HULFT IoT Agent」と、エージェントの監視やデータの一括送受信などの役割を担う「HULFT IoT Manager」で構成される。また、マシンにHULFT IoTのエージェントが入らない場合は、ゲートウェイにエージェントを入れ込むことでデータ連携が可能になる。小野和俊・常務取締役CTOは「IoTには決済、セキュリティ、モニタリングなど、データ連携の確実性、完全性、秘匿性が求められるミッションクリティカル領域が存在する。HTTPやMQTTといったプロトコルでは信頼性に欠け、十分な要件が満たせない。また、初期投資を抑えスモールスタートで始めたい、デバイスとサーバー間で双方向通信がしたいというニーズがある」と、HULFT IoT開発の背景を説明。とりわけ銀行や自動車業界に豊富な実績をもつHULFTを生かすかたちで、「HULFTの品質をそのままに、IoT領域における安心、安全、確実なデータ連携を実現している」と強調する。

小野和俊
常務取締役CTO
 HULFT IoTは、データの送達・改ざん保証や暗号化による確実性と、転送状況を監視し、万一転送が失敗したときにも自動で再送信する運用の自動化、データの圧縮転送によるコスト低減を大きな特徴としている。今年4月に先行検証版の提供を始め、これまで製造、流通・小売、エネルギー、物流、公共、ヘルスケアといった多数の分野の企業と実証実験を行ってきた。とくに工作機械メーカーとの実証実験においては、工作機械にHULFT IoTのエージェントを入れ、「これまで約10GBで送っていたものを約0.5GBまで削減することができた」という。

 また、データ連携ツール「DataSpider Servista」との連携も可能。エッジデバイスから収集したデータをノンプログラミングで、基幹システムやアプリケーション、クラウドサービスと連携できる。小野CTOは「確実に届くだけでなく、さまざまなものにつながる」とアピールする。

 セゾン情報システムズでは、HULFT IoTの提供にあたり、製造業をメインターゲットとして見据えている。工場系に強みをもつパートナー企業を開拓したい考えだ。また、HULFTが世界43か国8400社以上で利用されていることをふまえ、日本で知見を蓄積し、いずれはHULFT IoTの海外展開も行っていく方針だ。(前田幸慧)