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OBC クラウドファーストに舵を切る 基幹業務パッケージソフトのSaaS化を推進
2016/12/14 19:15
週刊BCN 2016年12月05日vol.1656掲載
社長
このほか、小規模法人向けの「奉行J」シリーズも、年内にはSaaS版をリリースする計画だ。財務会計ソフトを中心に、基幹業務パッケージソフトのクラウド化は小規模法人向けの市場から進んでいる傾向があり、freeeやマネーフォワードといった新興ベンダーや、大手の弥生が熾烈な競争を繰り広げている。また、新興ベンダーは顧客ターゲットを中堅企業層にも拡大しようという動きを見せ始めており、彼らへの対抗策ともいえる一手だ。
奉行フォーラム2016の会場でBCNの取材に応じた和田社長は、「Windowsの普及とともにOBCは大きな成長を遂げたが、クラウドはそれを超えるような大きな成長につながるビジネスチャンスをもたらしてくれる手応えがある。ユーザーにとっては矢継ぎ早にやってくる法制度改正への対応はクラウドアプリケーションのほうが楽だし、クラウドの強みを生かした業務アプリケーションはユーザーの生産性向上に大きく貢献できる」と話した。同社は昨年、ユーザー企業の従業員や個人取引先の個人番号を収集・保管する「マイナンバーサービス」をリリース。これを皮切りに、法・制度改正や社会環境の変化により発生する、従来の基幹業務システムの機能の延長ではカバーしきれない新しい業務を支援するクラウドサービス(SaaS)群「業務サービス」のラインアップを拡充してきた。こうした取り組みが一定の成果を得たことで、主力の奉行シリーズのSaaS化にも本格的に乗り出したといえそうだ。 (本多和幸)
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