中国業務ソフト大手の用友網絡科技(王文京董事長)は、このほど銀行業への参入を発表した。汚水処理などを手がける北京碧水源科技など、北京の企業10社と共同で民間銀行「北京中関村銀行」を設立する。資本金は40億元。このうち用友網絡科技は11億9200万元を出資し、出資比率29.80%の筆頭株主になる。共同出資者のなかには、東華軟件(出資比率5.00%)、北京華胜天成科技(同4.80%)などのIT企業もある。

 中国では、銀行業監督管理委員会 (銀監会)が2015年6月、民間企業に対する銀行参入規制の撤廃を発表し、100%民間資本の銀行設立が可能となった。すでに複数の民間銀行が設立されており、なかには騰訊(テンセント)が出資するインターネット銀行 「深セン前海微衆銀行」、アリババグループが出資する「浙江網商銀行」など、IT企業が手がける民間銀行もある。今回の北京中関村銀行は、北京市では初の民間銀行になるという。

 異業種の銀行業への参入は、事業ポートフォリオを拡大するための多角経営の一環であるが、IT企業にとっての狙いはそれだけではない。例えば、中小やベンチャーのIT企業への融資を通して、パートナー関係を構築し、自社のエコシステムに取り込むことができる。実際、北京中関村銀行は、IT企業が集積する北京海淀区の中関村エリアに設立される予定だ。また、クラウド・ビッグデータ・AIなど、自社の技術力を取り込んだ金融サービスを実践する場として銀行を活用し、成功事例を他社に展開することも可能となる。本業のビジネス拡大にも寄与するのだ。