【深セン発】4月9日~11日、広東省・深セン市で「第五届中国電子信息博覧会(CITE 2017)」が開催された。中国工業和信息化部(工信部)や深セン市人民政府が主催する電子情報産業の大規模見本市で、第5回となる今年は総面積約10万平方メートルの展示会を行ったほか、テーマに沿った約40のフォーラムを開催した。

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開幕式には政府関係者や
IT企業の経営トップが出席

 初日の開幕式には、劉利華・工信部副部長や袁宝成・広東省副省長、陳彪・深セン市副市長などの政府関係者に加え、中国電子信息産業集団(CEC)の芮曉武董事長、TCL集団の李東生・董事長など、電子情報産業の経営トップが出席した。このうち、袁・副省長は、「広東省は、電子情報産業の大きな省として、クラウドコンピューティング、ビッグデータ、人工知能(AI)などの分野を発展させ、国際競争力を高めていく」と意欲を示した。2016年の広東省の電子情報製造業の実現付加価値は前年比11.4%増の7620億元、ソフトウェア・情報技術サービス産業生産高は同15.4%増の8147億8000万元だった。いずれも、全国を上回るペースで拡大している。とくに深セン市は、政府が起業家の支援を重要政策に掲げており、革新的な製品・サービスを開発するベンチャー企業が増えている。
 
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とくに賑わった人工知能フロア

 開幕式後、劉・工信部副部長などの政府関係者は展示会場を約1時間にわたり視察した。中国政府にとって重要度が高い企業を意味する最初の訪問先は、中国電子信息産業集団(CEC)だった。同社は、1989年設立の中央国有企業で、傘下に14社の上場子会社、総従業員数は約13万人を抱える。視察では、同社のグループ企業が手がける8Kテレビや自社開発のサーバーチップなどを紹介した。その後、政府関係者は深センの液晶パネルメーカー、華星光電やTCL集団、京東方科技集団(BOE)、長虹電子(ChangHong)など、中国企業を中心にブースを訪問した。

 展示会場は9会場を使用し、約1700社が出展。電子情報産業を総合的に紹介するメインフロアに加え、スマート製造、LED、電子デバイス、新エネルギーなどの専門フロアも開設。このうち、今回の目玉であるAIフロアが、とくに来場者で賑わった。中国では、今年の全人代でAIが初めて政府活動報告に盛り込まれるなど、AI活用への関心が高まっている。

 面積5000平方メートルのAIフロアには、中国企業を中心に最新のAI技術や人型ロボットを展示した。そのなかでも、ひときわ大きなブースを構えて存在感を放っていたのが科大訊飛(iFLYTEK)だ。同社は、99年に設立した独立系IT企業で、音声認識・音声合成を得意領域としており、政府系の研究機関や大学と連携して国家工程実験室を設けるなど、中国のAI産業ではリーディングポジションを確立している。今回の展示会では、音声認識や音声合成、顔認証などの技術提供プラットフォーム「AIUI(訊飛开放平台)」を中心に紹介した。同社の劉慶峰董事長は、CITE 2017のメインフォーラムで基調講演。自社の技術力が外国の調査研究機関から高く評価されたことを例に挙げ、「音声認識と音声合成の領域で、中国企業はすでに世界トップレベルにある」と強調した。同社の16年度業績は、売上高が前年度比32.78%増の33億2047万元と勢いづいている。