ARソリューションを日本市場に投入

 シュナイダーエレクトリックは、ARソリューション「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」(略称:シュナイダーARアドバイザー)の国内展開を開始した。製造業の生産現場では、IoTソリューションをきっかけとしたITとOT(Operational Technology)の融合が注目されているが、その流れをARによって加速させるというのが、シュナイダーARアドバイザーのポイントだ。

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ARソリューション「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」のデモンストレーション。
生産現場に設置された設備などの操作方法がタブレット端末に表示されるため、マニュアルが不要になる

 同ソリューションは、AR技術を活用し、生産現場の設備などの操作方法を視覚的にサポートする。画面上には、実際に目の前にある設備が表示されるため、操作ミスを減らすことや、トラブル発生時などで必要とされるイレギュラーな操作に対応するといった効果が期待される。

 ARの表示には持ち運びやすいタブレット端末を使用。タブレット端末のカメラで捉えた映像をリアルタイムで分析し、操作方法やトラブル発生場所などの付加的な情報を重ね合わせて、オペレータをサポートする。また、QRコードの利用も可能になっている。

 生産現場の課題について、石井友亜・Industry HMI LoBバイスプレジデントは、「メンテナンス時間の約50%はマニュアルなどの情報検索に使われていて、機器の故障の約50%は操作に不慣れな人による人的ミスに起因するというデータがある。シュナイダーARアドバイザーは、画面上でマニュアルへのリンクが表示されるため、すぐに欲しい情報にアクセスできる。操作方法を指示することにより、人的ミスもなくすことにも貢献する」と説明する。

 設備の故障の把握には、IoTセンサの情報を利用する。800プロトコルに対応しているため、さまざまなIoTソリューションと連携することができる。故障情報を把握し、その内容と対応方法をタブレット端末の画面上に表示することで、緊急対応もスムーズにする。また、故障以外にも、点検に設備の停止が必要な電気キャビネットなどの扉をバーチャルに開けて内部を確認するといった使い方もできるため、設備停止時間の削減や高電圧の設備に触れる必要がないという安全性の確保も可能になる。

 勝村友一・インダストリー事業部バイスプレジデントは、同ソリューションについて次のようにアピールする。「シュナイダーARアドバイザーは取り扱いが容易で、最短で1か月ほどの期間で導入できる。ARのソリューションは実証段階というケースが多いが、当社では製品として展開する段階にある」。

 シュナイダーARアドバイザーのシステム構成は、ARのサーバーアプリケーションが稼働するHMI(Human Machine Interface)サーバーと、ユーザーが利用するタブレット端末側のARアプリの構成になる。価格は、HMIサーバーとアプリケーションのセットで200万円から。8月末の発売開始を予定している。現時点で対応しているタブレット端末のOSはiOSのみで、Android版とWindows版は準備中とのこと。また、来年前半にはユーザー企業やSIerでカスタマイズできるツールの提供を予定している。(畔上文昭)