関連産業規模10兆元を目指す

 中国国務院は7月20日、新たな国家戦略「新一代人工智能発展計画(次世代AI発展計画)」を発表した。AI産業の発展に向けた戦略目標や重点任務を定めたもので、2030年に中国AI産業を世界トップ水準に向上させ、経済の新たな原動力にする計画だ。

 同計画では、3段階の戦略目標を定めた。第一段階では、20年までにAIの全体的な技術とその応用を世界先進水準に引き上げる。この段階では、次世代AIの理論と技術の発展を重要視し、AIの中核産業規模は1500億元、関連産業も含めた規模は1兆元を目指す。

 第2段階では、25年までにAI基礎理論を大きく進展させ、一部の技術と応用を世界トップ水準に向上させる。AIを中国の産業アップグレードと経済の構造転換をけん引する主要な原動力にする。AI中核産業の規模は4000億元、関連産業も含めた規模は5兆元を見込む。

 第3段階では、30年までにAI理論、技術、応用のすべてを世界トップ水準に向上させ、中国を世界の主要な「AIイノベーションセンター」にする。AI中核産業規模は1兆元、関連産業規模は10兆元が目標だ。10年間で産業規模は10倍に拡大することになる。

 中国では、今年の全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告で、重要な新興産業の一つにAIが盛り込まれるなど、急速に関心が高まっている。BAT(百度、アリババ、テンセント)などのインターネット大手はもちろん、伝統的なITベンダーも自社のAI戦略を続々と発表。ファーウェイの徐直軍・輪番CEO兼取締役副会長は、今年4月の経営戦略説明会で、「今後はすべての製品とサービスにAIを盛り込んでいく」との方針を示した。

 急速な発展が期待される中国のAI産業だが、専門家の間では、「米国と比べて、AI基礎理論でのイノベーションが少ない」「高度なAI人材が不足しており、人材の獲得競争が過熱化している」との指摘もある。そこで今回の計画では、技術や応用の発展のみならず、AI基礎理論の修得・体系構築や、高度人材の育成を重点任務に盛り込んでいる。

 今回の計画発表を受けて、今後、中国ではAIに関する企業の取り組みや投資活動が、さらに活発化する可能性が高い。