コンシェルジュで導入を後押し

 多くの企業がRPA(ロボットによる業務自動化)の導入について、前向きに取り組んでいる。業界団体もRPA導入のサポートに取り組んでおり、日本CFO協会も会員向けの支援を強化している。

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谷口宏
専務理事
事務局長

 谷口宏・専務理事 事務局長は、「経理、財務、管理部門の業務は属人化しやすい。また海外M&Aや海外に販路を広げるなど、グローバル化の波がきており、管理体制の見直し、強化を求められている。2000年頃からERP(統合基幹業務システム)の導入が進んでいるが、すべての業務をシステム化できているわけではなく、ここから漏れた業務がまだある」と現在会員が抱える課題を挙げた。そして何よりも深刻なのが人手不足で、他部門と比べ、人員の補充がされにくく、業務負荷が高まっているとした。こうした課題を解決するRPA導入に会員は前向きだという。

 同団体は17年12月に会員158人にRPA導入に関するアンケートを実施した。回答者数はRPAをすでに導入しているのが5%、試験的に導入し検討中が26%、検討に向けて情報収集中が47%と、78%がRPA導入に向けて行動していることがわかった。ところが、RPAを導入した会員はまだ少ない。RPA導入に関する課題、悩みとしてどの業務プロセスに適用すべきか悩んでいる、社内で活用できる人材が少ない、どのツールがいいかわからない、など不安を抱えていることがわかった。そこでRPA導入の課題解決支援として、17年12月にスモールスタート型のアドバイザリーサービス「RPAコンシェルジュ」の提供を開始した。

 17年6月には業務の自動化や高度化を促進するため、「AI・ロボティクス部会」を発足。主にRPAの活用方法や具体的な事例など情報を共有している。また、体験・トレーニング講座を開催。累計で300人ほどや受講したという。このAI・ロボティクス部会の活動の一環としてRPAコンシェルジュを用意。RPAベンダーの公開情報をもとにRPAツールの比較表を作成して情報共有するほか、RPA導入の進め方や作成資料のテンプレートの提供、各タスクの作業内容の確認、助言、作業支援、導入効果の試算、展開計画の立案、RPAツールの選定などを行い、導入を支援する。RPAコンサルタントに比べれば簡易的な内容になるが、より安価で利用できる。2月時点ですでに3件の案件が進んでおり、問い合わせも10件を超えるという。

 谷口事務局長は「ソフトを導入すればいくらでもロボットを作成できる。まずは失敗してもいいのでつくってみたほうがいい。早く取り入れればそれだけロボットをつくるノウハウを蓄積できる。数人がかかわるプロセスをロボットに置き換えるのは難しい。まずは特定の人の一部の作業をロボットに置き換えるところから始めてみては」とアドバイスする。(山下彰子)