オープンソースのクラウド基盤ソフトウェアである「OpenStack」の利用が拡大している。調査会社451 Researchは、OpenStackのプライベートクラウド実装がもたらす収益が2018年には20億ドルに達し、パブリッククラウドインフラストラクチャでOpenStackを提供するプロバイダーによって生み出される収益を上回ると発表。この収益は21年までに60億ドルに達すると予想した。

AXLBIT
長谷川章博社長
 8月2~3日に開催されたOpenStack専門カンファレンス「OpenStack Days Tokyo 2018」で、実行委員長を務めたAXLBITの長谷川章博社長は、「クラウドネイティブの世界は拡大している。いろいろなプロジェクトと組み合わせながら、新しいかたちを生み出している」と話し、OpenStack市場は拡大と成熟化が進み、その次となる安定と多様化の段階に入ったことを強調した。

 OpenStack Days Tokyo 2018の開催に合わせてOpenStack Foundationのジョナサン・ブライス・エグゼクティブディレクター、Cloud Foundry Foundationのアビー・カーンズ・エグゼクティブディレクターの二人のエグゼクティブディレクターが来日。クラウドネイティブなインフラテクノロジーについて語った。

 
OpenStack Foundation
ジョナサン・ブライス
エグゼクティブディレクター
 OpenStack Foundationのブライス・エグゼクティブディレクターは、注力して開発している領域について言及。「中核となるインフラ領域の開発はほぼ落ち着き、今は仮想GPUのサポートなどにシフトしつつある。これまではアップグレードリリースを6か月ごとに行ってきたが、今後はその頻度を減らしていく」と話し、安定してOpenStackを使い続けることができるように取り組むとした。

 また、AI、マシンラーニング、コンテナ、サーバーレスといった新たなテクノロジーの台頭により、OpenStackの方向性が変わりつつあると指摘。オープンソースソフトウェアも拡大しているという。こうしたテクノロジー、アーキテクチャ、オープンソースソフトウェアの広がりに対し、ブライス・エグゼクティブディレクターは、「統合と連携がOpenStackの次のテーマになる」とした。

 
Cloud Foundry Foundation
アビー・カーンズ
エグゼクティブディレクター
 Cloud Foundry Foundationのアビー・カーンズ・エグゼクティブディレクターは、金融業、小売業などのあらゆる業界でクラウドにシフトする変化が起こっていることを指摘し、クラウドネイティブが身近になっていると説明した。このクラウドネイティブを「変革を起こす能力」と表現。サーバーやネットワーク、ストレージなどのアプリケーション環境は重要だが、それ以上に全てのテクノロジーをどう活用していくかがより重要であると語る。「企業の最高情報責任者(CIO)はビジネスの可能性をどう引き出すか、テクノロジーに対してどう投資をしていくかを考え、オペレーターはアーキテクチャ、インフラを考え、そして開発者がアプリケーションを開発していく。この開発者こそ、ビジネスの未来を創造する役割を担っている」とした。そしてCIO、オペレーター、開発者の3者が連携することで、その先のデジタル変革に繋がっていくとした。

 これまで、クラウドネイティブの世界ではどのようなテクノロジー、アーキテクチャを使うかを重視してきた。だが今後は、これらをコントロールするアプリケーションがより重要になっていく。(山下彰子)