【上海発】中国上海市の深蘭科技(ディープブルーテクノロジー)が、人工知能(AI)の研究開発を加速させている。AIを活用した自動販売機やロボットを開発し、中国国外への展開にも注力。日本では、小売業向けをきっかけに事業を拡大する考えで、同社の陳海波CEOは「日本で成功する自信はある」と話した。(齋藤秀平)

陳CEO
自動運転技術活用した警備ロボット

 同社は2014年に上海市に設立した。静脈認証で買い物ができる無人コンビニ「テイク・ゴー」を中国で実用化したほか、自動運転で掃除や警備をするロボットなど、幅広い領域でAIを活用した製品を生み出している。現在、米国やオーストラリアに研究センターを構えており、AIを専門とする技術者数は100人以上という。
 
欧州での取り組みを披露した式典

 世界市場では現在、インターネットを通じて17カ国で製品を販売している。最近は欧州進出を強めており、自動運転やスマート製造、データセキュリティーなどで協力することを目的とした実験室をルクセンブルクの国家機関と開設。欧州企業との協業も拡大している。9月13日には、これらの取り組みを披露する式典を上海市の本社で開き、挨拶した陳CEOは「中国と欧州の協力を強化し、AIの領域で新しい局面を切り開いていく」と力を込めた。
 
静脈認証で買い物ができる無人コンビニ「テイク・ゴー」

 日本との関係では、イオンの子会社で施設管理などを手掛けるイオンディライトと、上海市で合弁会社を設立することを今年3月に発表した。BCNの取材に応じた陳CEOは「イオンなどのパートナーと協力し、日本に550万台あるといわれている自動販売機のうち半分を、静脈認証で利用できる当社の製品に切り替えていきたい」と説明した。自動販売機で足場を固めた後は、小売施設や空港などを対象に、自動運転掃除ロボットの導入拡大などを目指すとした。

 さらに陳CEOは「日本の市場は世界でも大きく、われわれにとっては非常に大事だ」とし、日本での合弁会社の設立について、イオンと相談していることも紹介した。また「われわれは、技術の面で世界をリードしている。そして製品価格が安いのも特徴だ」と自社の強みを強調し、「日本の市場でほかの企業と競争しても、われわれに優位性があると考えている」と述べた。