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AIソリューションを開発するコンソーシアムを結成 エッジ領域でのAI活用を想定――mtes Neural Networks

2019/04/25 10:00

週刊BCN 2019年04月22日vol.1773掲載

 AIソリューションベンダーであるmtes Neural Networks(原田隆朗社長、mtes)は4月2日、エッジに近い領域での処理を想定した新たなAIソリューション開発を目指す「SCAiLEコンソーシアム」を1月に結成したと発表した。

 現時点で参加企業は4社。mtesのほかに、不揮発性メモリーを開発するCrossbar、USBドングル型AIアクセラレーターを開発するGyrfalcon Technology、mtesの関連子会社でAIアルゴリズムなどを開発するRoboSensingが名を連ねる。RoboSensingは、アルゴリズムのほかにゲートウェイなどのハードウェアを提供しており、同コンソーシアムが開発するソリューションの中心として機能する。計画としては、カメラなどのセンサーで取得したデータをRoboSensingのゲートウェイに通し、Gyrfalcon Technologyのアクセラレーターで処理。処理されたデータをCrossbarのメモリーに蓄積させる形だ。mtesはRoboSensingとともにアルゴリズムを開発するほか、これらのプロダクトを統合してプラットフォームとして提供する。
 
左からCrossbarのシルバイン・デュボワ・バイスプレジデント、
Gyrfalcon Technologyのビン・リー・バイスプレジデント、
mtes Neural Networksの濵田晴夫副社長、および原田隆朗社長、
RoboSensingのマシュー・コバヤシCEO、およびディディエ・ラクロアCTO

 mtesの濵田晴夫副社長は「スマートシティや、製造業での異常検知など、さまざまな分野での活用を期待している」と語る。5月中には具体的なソリューションの発表を予定している。

 同コンソーシアムが開発するAIソリューションは、エッジ処理が中心になっている。濵田副社長は「IoT市場の成長により、莫大な数のデータがさまざまな形式で集められるようになった。これらのデータをクラウド上で処理するのは、コスト的に非効率的だ」と語る。非構造化データをクラウド上で一括処理するのではなく、エッジでの処理を組み合わせることで、より高いレスポンスや処理速度を実現する。直近では、構造化や検索などの処理において、さまざまな種類のデータを一括して扱うコア技術を開発する。
 
RoboSensingが開発したAIゲートウェイ。
背部にはGyrfalcon TechnologyのAIアクセラレーターが載っている

 同コンソーシアムは、新たな参加企業を継続的に募集している。ソリューションの開発を目的にしていることから、AI技術に関連した企業だけでなく、幅広い分野から規模を問わず募集するという。また、mtesの原田社長は「現在の我々はメーカーの集団。販路という部分はまさに必要としているところ。ディストリビューターのような企業にもぜひ参加していただきたい」として販売チャネル構築に意欲を示した。現在の4社からなるコンソーシアムだが、5月中に数十社まで規模を拡大させる予定だ。(銭 君毅)
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外部リンク

mtes Neural Networks=https://www.mtesnn.jp/