安藤ハザマ(福富正人社長)、日本マルチメディア・イクイップメント(高田守康代表取締役)、富士ソフト(坂下智保社長)、計測ネットサービス(佐藤哲郎代表取締役)、宮城大学(蒔苗耕司事業構想学群教授)で構成する映像進捗管理システム開発コンソーシアムは3月17日、建設現場の進捗管理を効率的に行うための「定点カメラ映像による進捗管理システム」を開発したと発表した。今年1月から現場での本格的な試行を開始しており、現場技術者が効率的な施工管理を実施することができ、建設現場の生産性が向上することを確認している。

AIでダンプや建機を識別できる

 建設現場では、効率的な進捗管理に向けて工事の施工状況を定点カメラで常時モニターし、現場事務所などの遠隔地から映像を通して現場状況の確認等を行う事例が増えている。一方、映像の情報だけでは、工事の進捗状況を把握するうえで、「工事の完成形状に対する進捗状況が直感的にわかりにくい」「施工量(盛土量など)や距離・面積などの定量的な情報が取得しづらい」「稼働しているダンプや建機の台数などの常に変化する情報を素早く把握できない」といった課題があった。

 今回開発したシステムでは、これらの課題を解決するとともに、施工者だけでなく発注者も自由にシステムの映像を確認することができるため、受発注者双方で情報を共有することが可能となる。

 具体的には、現場に設置した4K解像度の定点カメラによるリアルタイムな映像を瞬時に疑似的な3D映像に変換して、CIMモデル、振動ローラのGNSSデータ、深層混合処理工の施工データを重ねて表示する。これにより、工事の完成形に対する進捗状況が直感的にわかりやすくなる。また、半日分の施工量(盛土の定量的な情報)とその施工範囲が映像上に表示されるため、進捗管理と次工程の施工計画立案に活用できる。

 パソコンの画面上を直接タッチすることで、映像上の任意地点の距離や面積を瞬時に算出できる。日々の出来高管理や資機材の配置計画といった簡易的な測量が画面上で可能となる。

 AIによる建機の識別では、ダンプ、バックホウ、ブルドーザ、振動ローラを識別対象として、その識別結果を進捗レポートで表示する。例えば、進捗レポートにはダンプの計画運搬台数に対する実績が30分ごとの時系列グラフで表示されるため、施工途中での予実管理が可能になり、ダンプの滞留状況などの通常とは異なる傾向を早期に発見し、原因を分析することができる。なお、4Kカメラの活用により、カメラからの距離が150mの場合、80%程度の識別率を確保できることを確認している。

 さらに、現場を囲うように高所に設置した4台のカメラ映像を写真測量の原理により結合して、あたかも現場上空から撮影したような画像(オルソ画像)を作成し、現場状況の進捗確認や施工計画の立案に活用する。画像はコンソーシアムのウェブサイトにも掲載しており、地域住民の人が工事の進捗状況を自由に閲覧することができる。

 まずは、盛土などの土工工事ほど導入効果が大きいと判断して建設現場での検証を進めているが、今後はダムや処分場の工事などへも展開し、現場管理のムダ・ムラの早期発見、是正を図り、建設現場のさらなる生産性向上に取り組んでいく予定。