ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)は5月26日、同社の製造業向けIoTパッケージ「mcframe SIGNAL CHAIN」を組み込んだ自動塗装設備ライン「KS-MICS(Kawaguchi Spring Manufacturing Internet of Coating System)」を川口スプリング製作所との協業で開発したと発表した。6月1日発売。

羽田雅一 社長

 B-EN-Gは従来、ITベンダーとして製造業のデジタル化支援などの領域で強みを発揮してきたが、今回の取り組みを「ユーザーとITベンダーの垣根を越えた共創モデル」と位置づける。機械設備メーカーなどとの協業によりハードとソフトを一体化した製造現場向けIoTソリューションを拡充していく考えだ。

 川口スプリング製作所はスプリング製造とその技術を応用した自動塗装機を主力とするメーカー。設備稼働率の向上や設備の予防保全、塗装品質歩留まりの向上、機器の設定変更作業の正確性・効率性の向上を実現すべく、B-EN-Gと共同でIoTの仕組みが最初から組み込まれた自動塗装機設備ラインの開発に取り組んだ。その成果がKS-MICSだ。

 B-EN-Gが提供するSIGNAL CHAINには、設備の稼働状況を自動的に取得して記録・分析できる「稼働モニタリング」、設備保全業務の支援機能を提供する「設備メンテナンス」、データ活用基盤の「IoTプラットフォーム」という三つのモジュールがあるが、KS-MICSには稼働モニタリングとIoTプラットフォームを採用した。設備の稼働状況や温度、湿度など塗装品質に影響する要素をリアルタイムに監視でき、異常時に即時にアラートを出したり、異常時のデータを蓄積・分析して予防保全や塗装品質歩留の向上に役立てることが可能になる。

 また、従来は属人化されたナレッジやノウハウに基づいて設定されていたPLC(制御装置)の情報をデータベースに蓄積し、共有できるようにすることで、PLC設定作業の正確性や効率性を向上させる。グローバルに工場が散在しているメーカーであっても、製造システム全体を統合的に最適化していくことができるという。

 川口スプリング製作所はKS-MICSを販売するだけでなく、納入先企業とデータを共有して塗装品質歩留向上を支援するサービスや、遠隔監視・保守サービスなども提供していく。B-EN-Gもこれらのサービス向けにSIGNAL CHAINのチューニングや微調整、アップグレードなどを継続する。

 B-EN-Gは川口スプリング製作所との今回の協業を、新たなビジネスモデル拡大の契機と見る。羽田雅一社長は「当社のシステムをお客様の製品に組み込んで販売していただく新しいビジネスの事例であり、(今後の展開に)ワクワクしている。製造業のDXや新たなビジネスモデル構築を支援する有力な一手になる」とコメント。共創型ビジネスを推進する専門部署も立ち上げた。「mcframe」ブランドで展開する自社製ソリューションとSI事業のアセットを融合させ、ユーザー企業のビジネスモデル変革を支援する取り組みを加速したい意向だ。(本多和幸)