アルテリックス・ジャパンは5月26日に報道関係者向けの説明会を開催し、2020年に国内製造業の導入顧客数が8倍に伸長したことを発表した。また、同社のデータ分析基盤「Alteryx」がAGCと竹中工務店の国内大手2社に採用されたことを明らかにした。

吉村 良 統括代表

 Alteryxは、プログラミングや専用言語を学ぶことなくノーコードでデータ分析を行える「セルフサービス型」の分析基盤。アルテリックス・ジャパンの吉村良・統括代表は「ビジネス環境の中で、誰もがいつでも同じように、さまざまなデータの価値を最大限引き出し、よりスピーディに事業意思決定を行う」ための製品であると説明する。

 分析を行う際に単一のシステムだけを参照することは少なく、基幹システム、ファイルサーバー上の共有ファイル、クラウドアプリケーションなど複数のデータソースにまたがってアクセスすることが多いため、システム間のデータ形式の違いを埋める必要がある。そのようなデータ加工の作業を情報システム部門など特定の部署・人が担った場合、業務の属人化を招くおそれがあるほか、手作業による部分が多くなると、経営層の要求にタイムリーに答えるのが難しくなる。

 また、これを防ぐため業務部門での分析を推奨するにも、ツールの取り扱いが難解だと現場では手が付けられず、外注に頼ることになるといった問題が発生する。

 Alteryxの場合、データの取り扱いに必要なさまざまな機能ブロックを、GUI上のドラッグ&ドロップ操作で「ワークフロー」としてつなぎ合わせることで、ノンプログラミングでデータ加工、空間分析、予測統計分析など行えるため、属人化を招くことがないという。同社では「データ、プロセス、人材それぞれが抱える課題を解決」(吉村代表)できるのが特徴であるとしている。

 20年は平年に比べ、新規導入企業数が著しく伸びた。コロナ禍で企業のビジネス環境が大きく変化したことで、事業計画の立案・変更や、どんな分野で需要が回復するかの予測といったプロセスに着手する企業が増えたことで、データ分析へのニーズが高まったとみられる。特に日本市場では製造業で導入顧客数が8倍となり、現在では国内の顧客の約4割を製造業(建設・エンジニアリング含む)が占めるに至っているという。

 同日Alteryxの導入を発表したAGCでは、同社化学品カンパニーにおいてプラントのスマート化に取り組む中で、データ分析基盤を新たに構築。プログラミングの知識がない社内の従業員でもデータの加工集計や整理が行えるようになったことで、開発費用を8割以上削減できたという。

 同じくAlteryxを導入した竹中工務店では、古い時代も含め多くの建築物に関する資料を電子化していたが、データの保存場所も形式も異なる複数のデータソースの整理に問題を抱えていた。Alteryxによりそれらのデータを、新しい建築物の仕様や性能の予測に活用できるようになったとしている。(日高 彰)