アルテリックス・ジャパンは11月30日、同社が提供するデータ分析プラットフォーム「Alteryx」が、三菱UFJ銀行で、グローバルに統一された金融犯罪対策プログラムの推進を担う「グローバル金融犯罪対策部」に採用されたと発表した。

 現在、マネーロンダリング(資金洗浄)や経済制裁対象国への送金を見逃さないことはもとより、規制当局からは世界各国の金融機関に対し犯罪検知のために新技術を積極的に利用することが推奨されている。新技術の利用には、相応の数のデータサイエンティストが必要となることが想定されるが、日本の労働市場ではデータサイエンティストの絶対数が不足しているのが実情。

 そこで今回、三菱UFJ銀行は、ユーザーインターフェースに優れ、分析ツールになじみの薄いユーザーにもハードルの低いAlteryxを採用した。また、複雑で負荷の高いデータクレンジング(データ処理)に耐えられるパワフルなエンジンを備えている点や、世界全体で一元的に管理できる共有化の仕組みが優れている点も、導入決定のポイントとなった。

 三菱UFJ銀行では、Alteryxを導入してから約1年が経ち、データ処理の効率化・高速化に加え、個人の分析力のスキルアップや業務の見直しも実現しつつあるという。

 具体的には、分析作業の効率化を実現。これまで1回130時間かかっていたデータクレンジング作業を約5時間に短縮した。また、数十万という膨大な数のデータを分析が必要な数十件に絞ることで、より深堀りしなくてはならない個別調査に時間をかけることができるようになった。これまでやりたくてもできなかった作業にも手が回り、調査の範囲が広く深くなるとともに、作業の高度化も実現している。

 今までプログラムを作るには、開発者による業務分析・詳細設計・コーティングという工程が必要だった。しかしAlteryxは、現場の担当者がアイコンを並べるような直感的な作業でワークフローを作ることが可能で、机上で設計を考えることとコーディングが同時にできる。また、自分で作った設計やロジックが整理されているかどうかを、ワークフローを見ながら磨き上げていくことができる。

 さらに、データ処理の素人だった人が、トレーニングを受けた後も自分で作ったワークフローを使って試行錯誤し、この過程で人材が育っていく。ナレッジのシェアの点でも非常にやりやすいほか、人材育成の観点からも、Alteryxは有効に機能しているという。

 これまで手作業だった分析をツール化し、データ分析に携わる行員が着実にスキルアップしていくなかで、行内でのデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性の認識が、今回のAlteryxの導入をきっかけにさらに高まった。DX担当部署との議論・連携も加速化し、新たなDX化の取り組みも進めやすくなったとしている。