フォーティネットジャパンは6月8日、セキュリティOSの最新版「FortiOS 7.2」の新機能と次世代ファイアウォール(FW)の最新モデル「FortiGate3700/3701F」を発表した。FortiOS 7.2では、「インラインCASB(Cloud Access Security Broker)」機能によるSaaSアプリケーションへのセキュリティ強化などを提供するという。
宮西一範 本部長
これまで同社は、CASB機能の「Forti CASB」を提供してきたが、技術統括本部の宮西一範・本部長は「APIベースでいわばオフラインのものだ」と説明する。今回、提供するインラインCASBは「インラインでFortiGateを通し、SaaSアプリケーションのアクセスをコントロールする」とした。ZTNA(Zero Trust Network Access)機能との組み合わによるポスチャチェックや、セキュリティ要件を満たしていない外部デバイスのブロックなどSaaSにアクセスする際のセキュリティを強化できるとした。
そのほかにも、SD-WANや次世代FW向けの機能として、「オーケストレーション、プロビジョニングの簡素化」「IPoE対応のさらなる拡張」などを行った。宮西本部長は「(SD-WANや次世代FWでは)コンフィグレーション(設定)の複雑さが課題だったが、テンプレートを用意するなどしてオーケストレーションを簡素化できるようにした」と述べた。
FortiGate 3700/3701Fは、400GbEのインターフェースを搭載している点を特徴としている。「ボックス型で400GbEを搭載する最初のモデルだ」(宮西本部長)という。
説明会では、2021年9月に買収したアラクサラネットワークスの戦略についても言及した。共同でスイッチ製品の開発を進めているのに加え、サポートサービスの一本化やカスタムアプリケーション開発サービスの提供を開始したという。
(岩田晃久)