日本ヒューレット・パッカード(HPE)は8月9日、as a serviceモデルである「HPE GreenLake」の拡大に向けた新たなパートナープログラム「HPE Partner Ready Vantage」を発表した。「Build」「Sell」「Service」の3領域で構成し、パートナーのソリューションやスキルに応じて、ビジネスを支援する。
Vantageは、製品販売を中心とした既存のプログラム「HPE Partner Ready Program」を基に設計されており、ネットワーク製品のプログラムである「HPE Partner Ready for Aruba」を含め、これまでのプログラムと並行して運用される。
HPEではVantageを構成する3領域を「トラック」と呼称し、パートナーは各トラックにまたがって参画することができる。
小川光由 常務
BuildトラックはSIerやISVなどGreenLakeのサービス構築のほか、自社のソリューションをHPEのソリューションと組み合わせ、as a serviceとして提供するパートナーに重点を置く。
Sellトラックは、主にパートナーがHPEと協力して開発したソリューションを販売するパートナーをサポートする。
Serviceトラックは、GreenLakeのサービスポートフォリオを活用し、サービスプロバイダーとして、コンサルティングやマネージドサービスを展開するパートナーが対象となる。
各トラックには支援の中核を担う組織体「Center of Expertise」(センター・オブ・エクスパティーズ)が置かれ、パートナーの専門知識や技術・技能を向上させるための、多様な教育プログラムが検討される予定だ。日本での詳細な内容は現在詰めている段階だという。
同社常務執行役員の小川光由・Pointnext事業統括兼ストラテジック・アライアンス統括本部長は日本におけるas a serviceビジネスのパートナー支援が「発展途上」であるとした上で「(パートナーにとってas a serviceを)マジョリティなビジネスにしていくためには、われわれの営業も含めて変わっていかねばならない」と述べた。
エコシステム関連では、米Redhat(レッドハット)と独SUSE(スーゼ)との協業も進めている。レッドハットとはコンテナ基盤「OpenShift」などのテクノロジーをGreenLakeプラットホーム上で展開するために連携する。スーゼとは分散したエンタープライズエッジにおけるGreenLakeワークロードのデプロイ・管理を簡便化するソリューションの提供で協力する。
「HPE GreenLake for Private Cloud Enterprise」など、新たなクラウドサービスも公表した。Private Cloud Enterpriseはパブリッククラウドと同様のUXや、ベアメタルや仮想マシン、コンテナなど多様なワークロードに最適化されている点、マネージドサービスの標準提供などが特徴となる。
(藤岡 堯)