ダイワボウ情報システム(DIS)の年次イベント「DISわぁるど」が11月16日、開幕した。今年はリアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド方式で開催し、約3年ぶりとなるリアル会場は新潟市の朱鷺メッセに開設した。会場では、出展企業約200社が最新のソリューションを展示し、来場者にITによるビジネス変革のヒントを提供した。17日まで。
DISわぁるどのリアル会場
会場では、モバイル・エッジデバイス、ITインフラ基盤、アプリケーション、コラボレーション、セキュリティ、ネットワーク、映像・ドキュメント・周辺機器の各領域ごとに出展企業がブースを設置した。インテルやアマゾン・ウェブ・サービス・ジャパンなどの大手企業などに加え、DISの「ご当地パートナー」として地元のIT企業も独自ソリューションを紹介した。
技術継承に関するソリューションを展示するBSNアイネットのブース
このうち、BSNアイネット(新潟市)は、複数の高画質映像を同時に転送できるプラットフォーム「MULT-i(マルチアイ)」の技術と、筋変位センサーを組み合わせたソリューションを展示した。職人の手の動きを分析し、技術の伝承につなげることが狙いだ。
同社産業ビジネス事業部の大橋岳彦氏は「県内には、金属加工などで世界に誇れるような職人が多くいるが、高齢化が進んでいることが課題になっている」とし、「デジタルで職人の技術を継承し、データとして残すことによって、機械化を後押しできる。さらに、職人が価値の高い仕事に力を注げるようにもなり、地元の産業発展につなげられる」と述べた。
電子黒板事業をアピールする藤村式黒板製作所のブース
一方、長年にわたって学校向けの黒板を製造している藤村式黒板製作所(同市)は、DISのイベントに初めて参加し、2022年に入ってから立ち上げた電子黒板事業をアピールした。
同社営業部の田村亮・課長は「今後も企業として生き残っていくためには、新しいことへの挑戦が必要。少子高齢化などで黒板に対するニーズが変わる中、今までとは違ったことに取り組み、しっかりと変化に対応できるようにしていきたい」と話した。
初日の特別講演では、元ラグビー日本代表の主将で、現在は教育ビジネスや人材開発などを手掛けるHiRAKUの代表取締役を務める廣瀬俊朗氏が、組織づくりやリーダーシップなどについて語った。このほか、DISと日本マイクロソフト、アドビ、マネーフォワードによる中小企業のデジタル変革をテーマとした特別セッションなどもあった。
イベントは「デジタル変革で狙う、まち、ひと、しごと再活性。」がテーマ。オンライン会場では、特別講演など約30セッションを配信する。DISによると、17日までの期間中、リアル会場には約3000人が来場する見通し。
DISは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年はオンラインだけでイベントを開催した。リアル会場を開設したのは、松江市で実施した2019年8月以来となる。(齋藤秀平)