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NTTコムと横河ソリューションサービス、「AIプラント運転支援」にオートパイロット機能を実装
2023/02/02 16:00
週刊BCN 2023年02月06日vol.1956掲載
NTTコミュニケーションズ(NTTコム)と横河ソリューションサービスは1月30日に会見し、「AIプラント運転支援ソリューション」の新機能として運転員の操作を学習したAIを用いてプラントの自動運転を実現する「オートパイロット」を発表した。2月に提供を開始する。
ソリューションの対象である化学プラント業界は、海外メーカーが安価な原材料で大規模設備を利用した汎用品を大量生産しており、国内メーカーは高機能製品を変種変量生産せざるを得ないという問題を抱えている。NTTコムの田原剛・ビジネスソリューション本部スマートワールドビジネス部スマートファクトリー推進室室長は「高機能製品の生産は手動運転するしかなく、運転品質がバラつくことで原材料が無駄になりやすく、技能伝承も難しい」と状況を説明した。
同ソリューションは、2017年から両社が共同で開発し、22年4月にプラントの手動運転を支援する「ガイダンス機能」の提供を開始した。運転員の手動操作を支援することで運転品質のバラつきを軽減、また運転技術を可視化することで人材育成でも成果を挙げている。一方、顧客からは「自動化による稼働の効率化や高精度化」「製造プロセスの安定に伴う低コスト化」などを求める声も大きく、今回のオートパイロットの実装に至った。
オートパイロットで用いられるAIは、プラントの各種センサーから取得した温度や圧力などのデータと運転員の過去の操作履歴から操作を模倣学習する。これにより手動運転を削減し、作業の大幅な効率化を可能にした。蓄積されたデータから現状に近い状況の操作履歴を抽出して再学習するので、生産量や設備の変化にも柔軟に対応できる。AIの動作保証範囲から外れた場合は運転員に即座に通知、手動運転に切り替わることで安全性も確保している。
JNC石油化学の市原製造所で実施した新機能の実証実験では、24時間の稼働において自動運転時は運転員操作時と比較して、目標達成度が33%向上、品質のバラつきが19%改善されたという。同推進室の伊藤浩二・担当部長は「指標地が目標値の近くで安定することでコスト削減につながる」と期待を述べた。
NTTコムはNTTドコモグループの一員として「地域共生」に注力していることから、今後は化学プラントだけでなく、漁業や農業などのユースケース創出も模索する。「農業や漁業は化学プラントと同じく、同一品質が求められるが技能継承が難しいという問題を抱えている。品種改良や養殖において、うまく適用できるのではないか」(伊藤担当部長)。現時点では目標値は公開していないが、先行して6社で導入して実績を積み、来年度は数十社への拡大を目指すとした。
(大蔵大輔)
NTTコミュニケーションズ(NTTコム)と横河ソリューションサービスは1月30日に会見し、「AIプラント運転支援ソリューション」の新機能として運転員の操作を学習したAIを用いてプラントの自動運転を実現する「オートパイロット」を発表した。2月に提供を開始する。
ソリューションの対象である化学プラント業界は、海外メーカーが安価な原材料で大規模設備を利用した汎用品を大量生産しており、国内メーカーは高機能製品を変種変量生産せざるを得ないという問題を抱えている。NTTコムの田原剛・ビジネスソリューション本部スマートワールドビジネス部スマートファクトリー推進室室長は「高機能製品の生産は手動運転するしかなく、運転品質がバラつくことで原材料が無駄になりやすく、技能伝承も難しい」と状況を説明した。
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