アクロニス・ジャパンは3月1日、パートナー向けの年次イベントを開き、事業戦略を説明した。2023年度はパートナーとの関係強化や営業力の強化を狙い、事業体制を再編すると発表した。昨年は新規パートナーの獲得が好調だったとし、23年度も引き続き販売網拡大に注力していく。
同社は、国内事業体制をサービスプロバイダー向けの「SP Cloud」、法人向けの「Corporate Cloud」、コンシューマー向けの「Home Cloud」といった製品ごとに再編する。SP Cloudを担う事業部では、新規パートナーの獲得に向けた施策を展開する部隊や、ARR(年間経常収益)の増加や製品を利用したソリューションの構築を支援していくパートナーサクセス部隊を構築する。加えて、23年度は大型案件の獲得に注力するとし、専任の部隊を作り、パートナーとともに戦略立案を進めていくとした。
川崎哲郎 社長
また、ディストリビューター支援やチャネルプログラムを構築するチームや、認定資格、トレーニングを提供するチームなどが、事業部を横断して活動し、パートナーのビジネスを支援していくと説明した。
同社の川崎哲郎社長は「昨年は国内のクラウドビジネスが順調に伸び、非常に高い関心を持たれている。パートナーの数は一昨年と比較して3倍に増えた」と話し、「今後もパートナーとともに成長を続けていきたい」と話した。
そのほか、セキュリティソリューション「Acronis Cyber Protect Cloud」の拡張製品「Advanced Email Security」の日本語化を完了し、国内での本格展開を始めると発表した。同製品はスパムやフィッシング、標的型攻撃、ゼロデイマルウェア攻撃など、メールを悪用した脅威を阻止できる。「Microsoft 365」ユーザー向けにメールボックスから送信されるメールをスキャンし、有害なEメールの送信を防止する機能があり、川崎社長は「これまで提供してきたMicrosoft 365のバックアップソリューションと統合することで、包括的なメールを保護ができるようになる」とアピールした。
(大畑直悠)