エクイニクス・ジャパンは7月10日、2023年度の事業戦略説明会を開催した。米Equinix(エクイニクス)が創立25周年を迎える本年度は、特に「AIと『Platform Equinix』の融合」「エコシステムの進化」「サステナビリティの実践」の三つの領域に注力する方針だ。
AIはデジタルインフラストラクチャーの基盤であるPlatform Equinixとの親和性が高いことから、22年から大きく着目している分野だという。Platform Equinixとの融合を進める上では▽大きなデータを処理できるインフラ▽世界に散在する技術者がデータにアクセスするためのクラウドへの近接性▽低遅延▽スケールアウトできる自動化されたインフラ──の4点が要件になると説明した。
小川久仁子 社長
現在、クラウドへの接続拠点の網羅率はエクイニクスが世界でトップだという。国内では、4月に日立製作所との協業を強化。日立はPlatform Equinixを活用したハイブリッドクラウドソリューションのグローバル展開を進めており、エクイニクスはこのビジネスを支援する。
3月には、英Oxford Quantum Circuits(オックスフォードクァンタムサーキッツ)が、エクイニクスが持つ都内のデータセンターを通じて、量子コンピューターをサービス提供すると発表。エクイニクス・ジャパンの小川久仁子社長は「日本から海外に向かってサービスを展開する点で、新しいエコシステムのかたちだ」と強調した。
サステナビリティへの取り組みの進捗状況についても言及した。特に「炭素削減」「再生可能エネルギー」「PUE(Power Usage Effectivenes、電力使用効率)」を重要な指標としながら、新たにエネルギー効率化への投資や建物のライフサイクルマネジメントをデータセンターに適応する試みなどを推進している。
(大向琴音)