弁護士ドットコムは7月26日、記者説明会を開き、契約書のAIレビュー支援サービス「クラウドサインレビュー」について説明した。電子契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」上で提供する。クラウドサインの顧客基盤を生かした拡販に注力する考えだ。
クラウドサインレビューは、資本業務提携したリセのレビュー技術をクラウドサインに組み込んで実現した。ユーザーがアップロードした契約書ファイルに対し、不利な条項や欠落条項、要注意条項などをAIが分析し自動で表示する。加えて弁護士が作成した解説や自社に有利な条文サンプルを表示し、ユーザーのレビューの工数を削減する。
元榮太一郎 社長
弁護士ドットコムの元榮太一郎社長は「企業の契約書の重要性が日増しに高まる中で、契約書の多条項化や複雑化も進んでいる。担当者が国語力とド根性で契約書を読み解くような時代は終わりに近づいており、AIレビューは大企業だけはなく、中小企業からの関心も高まっている領域だ」と説明した。
拡販に向けては、250万社を超える企業で活用されるクラウドサインの顧客基盤を生かしたアップセルに力を入れるほか、クラウドサインとのセットプランも提供する。元榮社長は「クラウドサインのユーザーにとって親和性が高いソリューションだ。契約書を送る前や、受け取った契約書にサインをする前に手軽に活用できる」と訴えた。
そのほか、クラウドサインの新機能として、マイナンバーカードを用いた電子署名サービスの提供を開始したことも明らかにした。マイナンバーカードをスマートフォンにかざし、パスワードを入力することで、文書に電子署名できる。高額な商品の売買契約や賃貸借契約、金銭消費貸借契約など、確実な本人確認が求められる契約や、商慣習上実印を利用する契約での活用を見込んでいる。
(大畑直悠)