京セラは8月3日、法人向けの高耐久スマートフォン「DuraForce EX」(デュラフォースイーエックス)を製品化すると発表した。また、通信機器事業の方針についても説明。法人向けビジネスを強化し、物流や建設など幅広い業界への支援を推進する意向を示した。
DuraForce EXは、過酷な現場でも長く使える高耐久性能と、バッテリー交換機能が特徴。物流や運送、小売りをはじめとするビジネスの現場では、連絡機としてのスマートフォンのほかにも、バーコードスキャナや決済端末といった、複数の端末の使い分けが必要という課題がある。DuraForce EXはそれらの端末機能をスマートフォン1台に統合する。NTTドコモ、ソフトバンク、京セラから2024年1月下旬以降に順次発売する予定だ。
飯野 晃 執行役員
また同社は、通信機器事業の戦略として、法人向けビジネスの強化に取り組み、「通信ソリューション事業」を推進する考えを示した。通信ソリューション事業は、「カスタム機器・カスタムアクセサリ」のほか、キッティングの導入支援などの「ソリューション」「修理・保守サービス」「インフラ関連機器」の四つの領域で構成されている。執行役員の飯野晃・通信機器事業本部長は「通信ソリューション事業を通じて、物流、建設、医療・介護、小売り、飲食、教育の六つの領域で社会の役に立ちたい」と語った。
今後の通信ソリューション事業の展開として、ミリ波センサーを使って人に触れることなく微細振動を高精度に検知する「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」を紹介。この技術は、インフラや建物の予防保全にも活用できるとし、将来的には老朽化が課題となる日本のインフラの健全性を判定できるソリューションを提供するとした。
(大向琴音)