arcserve Japanは9月6日、記者説明会を開き8月1日付で新社長に就任した公家尊裕氏が事業戦略を説明した。公家社長は「事業成長に向け、顧客の解像度を上げた営業を推進する」と説明した。また、イミュータブルストレージのローエンドモデルの提供に力を入れ、中小企業のランサムウェア対策を支援する。
公家尊裕 社長
同社は、昨今のランサムウェア攻撃の被害が中小企業にも及ぶ状況を踏まえ、ランサムウェア対策において有効なバックアップ用のイミュータブルストレージ「Arcserve OneXafe」を今後の重点製品に挙げた。特に9月中に提供を予定しているローエンドモデルの拡販に注力する考えで、低コストであることを強みに、中小企業への導入を促す。
公家社長は「日本法人の売り上げ比率はグローバルで30%を占めているため、日本市場からの要求が通りやすく、このローエンドモデルはその結果として生まれた」と説明。その上で「中小企業でもランサムウェア対策として、侵入後のフェーズへの対策は注目度が高い。すでに一部のパートナーには、ローエンドモデルの価格帯を案内しているが、中小企業のニーズにマッチするとして、好評を得ている」と話した。
今後の事業戦略としては、アプローチする顧客の解像度を上げた営業を推進するとし、顧客企業の規模、業界、部門といったプロファイルを細分化した上で、同社にとって理想的なターゲット領域に対し試験的に営業リソースを投入。そこで本格展開するか、別の領域に移行するか検討するサイクルを高速で進めるという。新規顧客の開拓が狙いで、公家社長は「これまでバックアップに必要性を感じていなかった顧客に対しては、自社と似たプロファイルの企業のトラブルやリスクを明確にすることが有効なアプローチになるだろう」と説明した。
(大畑直悠)