セールスフォース・ジャパンが、アライアンス事業に注力している。パートナーエコシステムは引き続き拡大しており、これからも投資を継続する計画だ。アライアンス関係を含めてグローバル全体のビジネスで2桁成長が目標となる中、それを上回る勢いの成長を目指す。
国内では2023年、初期導入や定着化を支援するコンサルティングパートナーが前年比約100社増の約600社に拡大。開発・実行基盤「Salesforce Platform」でISVパートナーが開発したアプリを提供するマーケットプレイス「AppExchange」に公開されているアプリ数は、ほぼ50本増の約350本になった。
浦野敦資 専務執行役員
同社の専務執行役員で、アライアンス事業統括本部の浦野敦資・統括本部長は、企業による積極的なIT投資が続く中、より素早い導入と効果の獲得を求める動きなどが追い風になったと分析。AppExchangeでは、これまで多かったCRM拡張・セールステック・フロント領域に加え、会計や人事などのバックオフィス領域と業界向けの伸びが目立っているとし、「われわれが製品を提供しきれていない領域や業界へのアプローチが進んでいる」と説明する。
パートナー関係の新たな取り組みとして、アウトソーサー向けの枠組みを新設し、アウトソーシングの高付加価値化の支援にも乗り出している。既に数件の事例ができているという。浦野専務執行役員は「アウトソーサーに当社の製品を採用してもらい、生産性の向上に寄与することが目的だ」と説明。投資対効果を訴求してパートナーシップの強化を進める考えだ。
アライアンス事業では今後、幅広い企業に製品を導入していく上で、特に必要となる各業種・業界に関する知識やノウハウの醸成を重要視してパートナーとのビジネスを展開する。また、専任の担当者を配置するなどして支援体制を強化している地方でのビジネスの加速にも力を入れる方針だ。
(齋藤秀平)