Datadog Japanは12月20日、コンテナに関する2023年の年次レポート「コンテナ利用に関する10のインサイト」に関する記者会見を開催した。グローバルの数万社の顧客によって実行された24億以上のコンテナのデータを基にしたレポートで、サーバーレスコンテナの利用が増加傾向にあることなどが明らかになった。
コンテナを利用企業の46%が、大手クラウド事業者が提供するサーバーレスコンテナを使っており、2年前の31%から大きく増加した。同社では、多くの組織がサーバーレスコンテナを実行している理由について、運用に関わるオーバーヘッドを削減して開発の俊敏性を高め、コストを最適化したいとのニーズがあると仮説を示した。
萩野たいじ シニアデベロッパーアドボケイト
特に「Google Cloud」のユーザーにおけるサーバーレスコンテナ採用の割合が68%と最も高くなった。2年前の35%から増えた理由については、Google Cloudの「Cloud Run」上に構築された、第2世代の「Cloud Functions」が22年8月にリリースされたことに起因しているとした。
また、AIに関連する調査結果についても説明。コンテナでのGPU使用率が増加傾向にあり、コンテナ化されたGPUインスタンス時間が前年比で58%増加したという。Datadog Japanの萩野たいじ・シニアデベロッパーアドボケイトは、「マシンラーニングやLLM(大規模言語モデル)などのワークロードに必要なデータ処理の規模が大きくなっているのが要因」と指摘した。
さらに、Armベースのクラウドコンピューティング環境の利用も拡大。クラウド事業者のマネージドKubernetesサービスを利用する組織のうち、Armベースのインスタンスを採用するユーザーは22年調査で2.6%だったが、今回は7.1%となった。同社では、コストパフォーマンスの高さが評価されたと分析している。
(大向琴音)