米Akamai Technologies(アカマイ・テクノロジーズ)の日本法人は3月22日、事業戦略説明会を開き、クラウドコンピューティング事業を強化する方針を示した。米本社のトム・レイトン・CEO兼共同創業者は「CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)とセキュリティー(のサービス群)では、超分散型、完全自動化、効率性の重視を実現している。クラウドコンピューティングも同じように取り組んでいく」と語った。
米Akamai Technologies トム・レイトン CEO兼共同創業者
アカマイは、2023年2月にクラウドプラットフォーム「Akamai Connected Cloud」を発表し、クラウドコンピューティング事業を本格的に開始した。世界に4100カ所以上あるエッジ拠点から、コンテナ、ストレージ、データベースなどを提供する。ユーザーに近いエッジからサービスを提供することで、データセンターとエッジの間でデータを転送する際のコスト削減などが可能となるという。今年2月から新たなプロジェクト「Gecko(Generalized Edge Compute)」を開始し、仮想マシンを動かせるエッジの拡大などに取り組んでいる。
レイトンCEO兼共同創業者は、クラウド市場について「以前は、ハイパースケーラーが提供するサービス料金は安価だったが、現在は価格が上がり、課金体系も複雑だ。また、セキュリティーのリスクも高まっている」と指摘。「これらの課題を解決するために、世界でも最も分散したクラウドプラットフォームを実現し、コストを抑えて提供する」と力を込めた。
セキュリティー事業の説明も行われた。APIセキュリティーやゼロトラストへの関心が高まっていることを理由に同社製品の利用が加速しており、23年度のグローバルのセキュリティー事業の売上高は前年比15%以上の増加となり、国内はそれをさらに上回る成長率となったことを明らかにした。
(岩田晃久)