アカマイ・テクノロジーズは3月2日、事業戦略説明会を開催、2月に発表したクラウドプラットフォーム「Akamai Connected Cloud」の詳細を説明し、エッジコンピューティングなどで構成するコンピュート事業の拡大を目指す方針を示した。米本社のトム・レイトン・CEO兼共同創立者は「今後5~10年を見据えると、コンピュートが最大の柱となる」と述べた。好調に推移するセキュリティ事業の取り組みなども紹介した。
トム・レイトン CEO兼共同創立者
Akamai Connected Cloudは、2022年に買収したクラウドコンピューティング開発者向けサービスを提供する米Linode(リノード)の技術をベースに、世界に4000以上あるアカマイのエッジから、仮想マシンやコンテナといった機能を提供する。ユーザーに近いエッジ環境からサービスを提供することで、データセンターとエッジの間でデータ転送する際のコスト削減などが可能となるとした。レイトンCEOは「CDNやセキュリティで培った技術やケイパビリティにより、ハイパースケーラーと同じ機能を、信頼性を担保しながら安価で提供できる」とアピールした。
セキュリティは、22年度のグローバルの売上高において、CDNを上回り急成長を遂げている。主力のWebアプリケーションファイアウォール(WAF)では、サイバー攻撃が増加、巧妙化している中で、アプリケーション保護に加えて、アカウント保護やボット対策などの機能を追加していることを特徴として挙げた。
注力商材としてネットワークを細かくセグメント化するマイクロセグメンテーション技術を活用した「Akamai Guardicore Segmentation」を紹介。ランサムウェアの拡散を防ぐ有効な対策として欧米では、利用が拡大しており、国内でも拡販を目指す。
日本法人の日隈寛和社長は、国内事業の現状を解説。顧客数が約800社となるなど高成長と遂げているとした。日隈社長は「今後はコンピュート関連に注力し、クラウドカンパニーとして躍進していきたい」と抱負を語った。
(岩田晃久)