テラスカイは、自社のERP「mitoco ERP」と連動する生成AI「mitoco AI」を4月9日に投入した。マイクロソフトの生成AI「Azure OpenAI」のエンジンを使い、mitoco ERPが動作する「Salesforce Platform」上のデータを基に回答を生成していく仕組み。ERPのデータはAzure OpenAI側には渡さないため、生成AIを通じてデータが外部に流出するといった情報セキュリティー上の懸念を排除した。
山田 誠 専務
mitoco AIの想定ユーザーは経営層や事業部門長で、「人と話すような自然な感覚で、業務アプリのデータを呼び出したり、集計したりできる」(山田誠・取締役専務執行役員製品事業ユニット長)と、AIに指示を出すプロンプトの知識がなくても簡単に使えるようにした。
初期バージョンはSalesforce Platform上で管理されているデータを検索、集計する機能が中心だが、今年10月をめどに財務会計や販売管理といった業務の専門用語への対応など、ERPと密接に連動した使い方が可能なERP連携強化版を投入する予定。汎用的な検索や集計から一歩踏み込んで「より実務に即した生成AIの活用が可能になる」(山田専務)見通し。
mitoco AIは、Salesforce AppExchangeのアプリ全般に対応しており、「参照したいアプリを選択するだけで使えるようになる」(岩井哲郎・AI・LINE開発部部長)といい、AppExchange対応の他社アプリのデータも参照できる。
販売面ではSalesforce製品のユーザーが多い中堅から大手企業を軸に据える。価格は30ユーザーまでの利用で月額50万円からで、導入支援や定着化支援のサービスもオプションで用意した。AppExchangeアプリ全般に対応し、かつ多言語環境でも使えることから海外展開にも注力。向こう5年で国内外300社に納入する目標を掲げている。
(安藤章司)