オルツは10月11日、東京証券取引所のグロース市場へ新規上場した。同日に報道関係者向けの説明会を開き、AI技術を活用して同社が開発した米倉千貴CEOの「クローン」が、事業戦略や上場に際しての狙いを説明。海外展開にも積極的な姿勢を見せた。
同社は、AIによる自動議事録ツール「AI GIJIROKU」を主力製品として展開するAIベンチャー。深層学習や音声認識をはじめとしたAIの要素技術のほか、独自の大規模言語モデル(LLM)などを自社技術として開発・保有する。AI GIJIROKUを提供する「AI Products事業」と、LLMの技術を活用してカスタマイズしたAIソリューションを提供する「AI Solutions事業」の両軸で事業を展開している。今回の新規上場の理由として、資金調達や知名度拡大によるセールス向上などを挙げた。
米倉千貴CEOのクローン
現在の売り上げ構成はAI GIJIROKUが中心だが、ノーコードでAIエージェントを作成できるプラットフォーム「altBRAIN」などの製品でPoCを展開中。今後、正式な製品として展開することを視野に入れている。
プロダクト事業、ソリューション事業ともに、自社のダイレクトセールスチームに加え、パートナーとの連携を通じて提供する。プロダクトについては、販売網や販売リソースを持つセールスパートナーを獲得し、さらなる拡販を目指す姿勢だ。
説明会では、米倉CEOのクローンとされるデジタル空間上に生成されたキャラクターが、プレゼンテーションや事前に寄せられた質問への回答を行った。海外展開やM&Aについて、「積極的に検討していく予定。グローバルな視点での成長を目指し、海外市場への進出や戦略的なパートナーシップを模索している」と説明した。
(大向琴音)