AIスタートアップのオルツは3月28日、記者説明会を開き、ユーザーのPC操作を学習・分析することで、各ユーザーの特性に応じて日常業務を効率化できる生成AIエージェント「alt Polloq（オルツ ポロック）」を発表した。ユーザーが指示したときだけでなく、学習した習慣に応じてエージェントが自律的にプロンプト（命令文）を生成し、タスクを実行する点が特徴。6月ごろのサービス開始を予定する。

　alt Polloqは同社が開発する大規模言語モデル（LLM）の「LHTM-2」を基盤として動作し、例えばメールやチャットの文面を自動で生成して返信したり、Web検索した結果を報告したりできる。PCの画面のダークモードへの変更など、OSに対する操作も可能だ。また、日々のキーボード操作などの行動や、alt Polloqへの指示を記憶する仕組みを搭載し、これを基に必要と判断したプロンプトを自律的に生成。一日の予定の表示などを、ユーザーから依頼がなくても実行する。


　同社の米倉千貴・代表取締役は、「alt PolloqはOSとさまざまなソフトウェアの間をつなぐ役割を担い、ユーザーの特性を反映したクローンとして日常の業務を代行する魔法のようなツールだ。ユーザーがより価値のある業務に集中できるように支援する」と自信を見せた。

　今後は音声入力やカメラ映像、クリップボードの内容といった情報を元に、より自律的に動作するエージェントに強化する方針だ。

　このほか、GPUの計算リソースをユーザー間で融通するサービス「EMETH（エメス） GPU POOL」も発表した。GPUを時間単位で貸し出したり借りたりできる。現在、余剰となるGPUを保有する企業との提携や連携を募集している状況だとし、5月にオープンベータ版をリリースする予定だ。
（大畑直悠）