米Fastly(ファストリー)日本法人は4月18日、報道関係向けにイベントを開き、サイバー攻撃の動向やセキュリティー製品のアップデートなどを解説した中で、国内でDDoS攻撃が急増していることを明らかにした。DDoS対策製品「Fastly DDoS Protection」に、攻撃を可視化し分析までを可能にする新機能を実装、セキュリティー強化を支援する。
今野芳弘 カントリー・マネージャー
今野芳弘・カントリー・マネージャーは、DDoS攻撃の傾向について説明。ファストリーが1月に国内で観測したDDoS攻撃は前月比14.5%増で、世界で5番目に多かったという。その内、メディア・エンターテインメント業界を標的とした攻撃が約6割を占めたとした。
従来のDDoS攻撃はL3(ネットワーク層)、L4(トランスポート層)を対象とするケースが多かったが、最近はL7(アプリケーション層)を狙う攻撃が増加していると指摘。今野カントリー・マネージャーは「(L7への攻撃は)少ない帯域幅で大きな損害をもたらす。L3、L4に対するDDoS攻撃対策をしている企業は多いが、L7に対しては不十分なケースが見られる」と述べた。
Fastly DDoS Protectionは、ファストリーがDDoS攻撃を分析、パターン化し、通信がパターンとマッチした場合は、DDoS攻撃だと判断して自動でブロックする「Attribute Unmasking技術」などを搭載する。新機能「Attack Insights」は、攻撃の全体像や、Fastly DDoS Protectionが攻撃に対してどのようなブロックを行ったのか、などを可視化する。
詫間俊平 シニア・セールス・エンジニア
詫間俊平・シニア・セールス・エンジニアは「これまでは、ユーザーは攻撃の詳細を把握するのが難しかったが、新機能によって、分析までが可能になる」と述べた。
(岩田晃久)