米Dynatrace(ダイナトレース)は5月21日、事業戦略発表会を開き、AI搭載によるオブザーバビリティプラットフォームの進化について説明した。
米Dynatrace
リック・マコーネル CEO
リック・マコーネルCEOが、ソフトウェアの中核を担う「Davis AI」について解説した。インシデントの原因を特定する因果AI、異常値を検知してインシデントを予測する予測AI、インターフェースに自然言語を表示する生成AIを組み合わせており、予防から検知、保護までを自動化するエージェント型AIに進化しているとした。同社プラットフォームの強みとして「データレイクハウスによるデータ統合」「AI駆動による分析」「自動レスポンスでの対処」を挙げた。
グローバル市場ではエンタープライズ向けに展開する。マコーネルCEOは経営層レベルのビジネス分析にも活用されていると強調。「ソフトウェアの管理だけでなくビジネス全体の最適化に用途が広がっている」と語った。
Dynatrace日本法人
徳永信二 社長
日本法人の徳永信二社長は本年度(FY2026)の国内見通しを示した。製造業、金融業、デジタルエンターテインメントへのビジネスに注力する。金融業がグローバル市場の収益の4割以上を占めているとして「金融は複雑なシステムがあり高い要件を求められる。国内メガバンクや地銀のアライアンスにまで広げたい」と述べた。昨年度の3倍以上の売り上げを見通している。
販売戦略については「今後はユーザーとのパイプラインをともに構築するパートナーも増やしたい」と意気込んだ。
(春菜孝明)