米Dell Technologies(デル・テクノロジーズ)日本法人は2025年12月18日、水冷データセンター(DC)に関するイベント「DLC Servers & Datacenter Summit 2025」を開催した。執行役員の上原宏・インフラストラクチャー・ソリューションズ営業統括本部製品本部本部長は、サーバー市場がGPUへの依存度を高めており、課題となっている熱対策のためDirect Liquid Cooling(DLC)方式など水冷技術の導入が広く求められていると背景を解説。普及に向けて「サーバーを提供するわれわれも、新しいパートナーと協力する必要がある」ことを、“新しい生態系”と呼び掛けた。
DLC Servers & Datacenter Summit 2025の様子
会場にはDC事業者や建設業など関係する業界から多くの企業が参加した。インフラストラクチャー・ソリューションズ営業統括本部製品本部システム周辺機器部の水口浩之・シニアプロダクトマネージャーは、水冷設備導入の推移を解説。水口シニアプロダクトマネージャーは、25年の同社の水冷ビジネスに関して、水冷の要となるCDU(冷却水循環装置)の導入台数が24年を大きく上回っているとし「26年の出荷台数は国内だけでも2.5~3倍に伸びるだろう」との見通しを示した。
導入に際しての注意として、サーバーメーカーごとに対応できるCDUが異なるためラックとCDUはサーバーメーカーが持ち込む傾向があることや、電気系統配線が多数に及ぶといった点を指摘。最上位モデルの構成では1ラックあたり1.5トンの重量があるため、搬入経路にあるエレベーターや廊下などに問題がないか確認したり、耐震計算をしたりする必要があるとした。
建設業界からも参加企業が知見を共有した。大林組東京本店の浦川真哉・建築事業部副事業部長は、同社が24年11月にDC開発と運営を専門に扱う子会社「MiTASUN(ミタサン)」を設立したことを紹介。新たな電力設備の増設を抑制できる小規模DCを都心に多数設置する方針で、簡易な仕様のDCを多数組み合わせることで全体の総設備投資を抑えたクラスターを構成するとしている。
大和ハウス工業東京本社BS本部データセンター事業本部準備室の石原聡・統括部長は、展開するDC事業「DPDC(ディー・プロジェクト・データ・センター)」を紹介した。大型の郊外型DCに加えてエンタープライズ向けの都市型DCを開発し、土地提案からサービス開始前の引き渡しまで一貫したソリューションを提供できると強調。意匠性も追求して周囲と調和し街のランドマークとなるようなDCを推進しているとアピールした。また短期間での建設が可能な、ユニットを組み合わせて構築するモジュール型DCにも注力。設計や製造の標準化といった「DCの工業化」によりコストの削減につながるとした。
デル・テクノロジーズ日本法人は25年を「水冷元年」として関連イベントを開催しており、今回で同年中の開催は6回目となった。
(下澤 悠)