21世紀に入り、2度目の正月がやってきた。新世紀最初の年はIT産業にとって辛い記憶を刻むことになったが、今年はその苦しさをステップに“復活の年”となることを望みたい。

 昨年末、IT大手各社の幹部と話す機会があった際、各人が必ずと言っていいほど話題にしていたのが、中国の動向だ。

 スピード、コスト、品質。製造業に求められる3つの要素のうち、すでに中国はコスト、品質面はクリアしたように思われる。「安かろう、悪かろう」だった時期はもはや過去のものになっている。

 昨年のWTO(世界貿易機関)への加盟で、従来にも増して堰を切ったように世界中の資金が中国に集まり始めている。当面、さまざまな曲折を経るだろうが、いずれ中国が「世界の工場」になることは間違いない。

 「中国でつくれるものは中国でつくらないと、世界に勝てなくなっている」(NEC・西垣浩司社長)というように、日系メーカーもいきおい生産拠点を中国に移し始めている。

 では、“モノづくり立国”だった日本は今後どのような道を歩めば良いのか

 製造業の3大要素のうち、残された1つ「スピード」にあるのではないだろうか。最先端の技術開発力では日本はまだ一歩も二歩も優位にあり、それを素早く生産につなげるノウハウは、まだ追随を許してない。しかも、システムを活用するノウハウには長年の蓄積と自信がある。

 東芝のパソコン事業を率いる西田厚聰・上席常務デジタルメディアネットワーク社社長は、かつてウィンドウズ95が発売された当時、深夜の東京・秋葉原で「太陽は今まさに東(米国)から昇ろうとしている」と表現した。

 この言葉を借りれば今年は、日本にとって「太陽は西から昇る」年になるだろう。もはや中国と同じ土俵で競争を繰り返しても、日本企業は太刀打ちできないのは確か。「世界の工場」、中国と共存し、中国の勢いを自社のビジネスにいかに取り込んでいくか。陽が昇り始めた中国を軸に、アジアのなかでの自社の戦略を練り直す時期にさしかかっているといえる。

 アジアの一員として自社の得意分野は何か。その答えをいち早く見出した企業こそが、今後の勝ち組に名を連ねることになろう。