「ドラゴンボール」や「キン肉マン」、「セーラームーン」など、たくさんのヒットアニメを世に送り出している企業として有名な東映アニメーション。どの世代にも、時代とともに共通したアニメの歴史を刻んできた。

 このほど発表した第3四半期の業績は好調で、通期見通しを上方修正した。

 証券関係者のなかには、事業形態の安定性と将来性などから、有望企業の1社として注目する声も出ている。

 同社のビジネスは大きく分けて3分野ある。

 製作アニメのテレビ放映と映画化による劇場上映、さらに海外へのフィルム輸出やビデオ化に至るまでの「映像ビジネス」。現在放映中のアニメは「ワンピース」や「おジャ魔女どれみ」、「キン肉マンⅡ世」などテレビ各局合わせて6本。今期初に比べて3本増えた。

 2つ目は「版権ビジネス」。アニメキャラクターのライセンスを供与することで、おもちゃメーカーなどから各種のキャラクターグッズが売り出される。グッズは、子ども服、靴、文房具など多種多様な品目に渡る。

 これらのグッズがテレビ番組に連動して目にする機会が増えるのは、新たなアニメを企画するとき、テレビ番組だけではなく、キャラクターグッズの商品化など、映像と版権ビジネスを総合的にプロデュースする仕掛けを行っているためだ。「ヒットの裏に仕掛けあり」といったところだが、もちろんすべてがうまくいくわけではない。

 3つ目は、大型ショッピングセンターなどで行われるアニメキャラクターのイベントや、専門学校などの付帯事業。

 これら3つの事業領域が、相乗効果を生み出して業績を支える一方、固定ファンの裾野は着実に広がっている。

 昔懐かしいアニメキャラクターの人形(フィギア)の人気が再燃することはもはや珍しいことではなく、「過去の作品をDVDなどに活用していくことは今後の重要な戦略」(平井淳生・社長室経営企画担当)と位置づけている。

 製作やプロモーションのためのコストを利益に結びつけるためには、版権ビジネスを含め、すでに投資を回収したアニメが継続してヒットすることが必要だ。さらには今年度に引き続き新しいアニメ企画も投入していく予定という。

 業績が上方修正した最も大きな要因は海外にある。

 米国でヒットしている「デジモン」、「ドラゴンボール」の映像と版権ビジネスの伸びは著しい。

 とくに今期は、米国から欧州へと同じアニメを展開して利益率もアップ。最近の円安メリットも収益に寄与する公算だ。

 世界へと広がりをみせつつあるアニメファンだけではなく、今後は投資対象企業としての魅力がさらに高まっていきそうだ。(マーケットウォーク 鮎川 良)