全国約3300の地方公共団体を結ぶ巨大な総合行政ネットワーク「LGWAN」が、今年4月に中央省庁を結ぶネットワーク「霞が関WAN」と接続されて、いよいよ本格的な運用が始まる。

 LGWANそのものは、昨年10月から47都道府県と12政令指定都市の約60団体が参加して稼動を始めている。今年度中には、一部の市町村を含めて合計85団体が参加する見通しだ。

 今後、国と都道府県、都道府県と市町村という情報流通の需要が多く見込まれることから、霞が関WANとの接続後のLGWANの動きを、地方公共団体も注目している。

 LGWANの構成は、運営主体である地方自治情報センター内に設置された全国ネットワークオペレーションセンター(全国NOC)、各都道府県レベルの都道府県NOCを専用回線で結ぶネットワークである。自治体は、それぞれLGWANサービス提供設備という専用設備を導入しセキュリティを確保した上で、自治体のLANと接続してサービスを受ける仕組みだ。

 昨年3月に策定されたe-Japan重点計画では、03年度までに全ての市町村をLGWANで接続することをめざしている。目標の03年度までは特別地方交付税で導入経費に対しての措置もとられており、今後、急ピッチで3300の自治体がネットワーク化され、行政情報のための基盤が整う見通しだ。

 問題は、この基盤にどのようなサービスやアプリケーションを乗せるかだ。重要なセキュリティを含めて具体的にどのように運用していくかは「総合行政ネットワーク運営協議会」で検討が進められている。

 運営協議会も地方自治情報センターを事務局にして、運営委員は都道府県から各1人のほか市区町村の代表6人が参加して構成。各自治体がLGWANに参加する場合、接続しても大丈夫と言えるセキュリティを確保しているかどうかをチェックするのも、運営協議会の役割だ。

 現在、制度(ドメイン・認証など)、技術(セキュリティ関係)、文書制度(電子文書の取り扱いなど)、利活用(アプリケーションサービスプロバイダ=ASPなど)の4つの専門部会が専門的な検討を行っている。

 霞が関の中央省庁から出される通達などの公文書も、将来的にはネットワークを通じて電子文書で送付されることになる。

 「これまでは各地方公共団体にそれぞれ文書管理の責任者がいて公文書を管理していた。電子文書の場合、取り扱いをどうするのか。行政事務の効率化も踏まえて、実態に合わせて検討を行っていくことが必要」(総務省自治行政局地域情報政策室・宮原則幸課長補佐)。

 地方公共団体の一部からは、LGWANを通じて国・政府が地方に対する情報収集を強化するとの声も聞かれる。それだけに中央から地方への一方的な情報提供や情報収集だけでなく、地方公共団体が行政事務の効率化など十分なメリットが感じられるようなアプリケーションを準備し、LGWANの利用を促進していくことが必要ではないだろうか。