身につけたい社会人マナー スタートダッシュ新入社員

<身につけたい社会人マナー スタートダッシュ新入社員>第7回 苦情電話への対応

2002/05/20 16:04

週刊BCN 2002年05月20日vol.941掲載

 電話の応対で難しいのは「苦情電話」の場合である。

 ある大手メーカーが、苦情電話への対応ぶりを録音され、インターネットに流された結果、社会的指弾を受けるという事件があったことは、まだ記憶に新しい。

 のちにクレーマーと呼ばれる輩の仕業であったことが判明したが、それまでに本来は被害者であったくだんのメーカーが受けたイメージダウンは甚だしいものがあった。

 このように、苦情の処理は難しい。

 苦情電話を受け、まず、なすべきことは、相手の言うことを最後までじっくり聞くことである。

 いきなり居丈高に怒鳴りまくってくるような人もいるだろう。

 そんな場合でも、あまり動転しないで、とにかく言いたいことを言わせてしまうことである。

 また、おずおずと言った感じでかけてくる相手もいるだろうが、甘く見てはいけない。最近のクレーマーにはこのタイプの方が多い。

 途中で相手の話を否定したり、疑うような言葉を挟むのは禁物である。

 例えば「そんなことはないはずですが」、「それはお客様の問題では」などとは絶対に言ってはいけない。

 言い訳をせずに、苦情に対しては率直に謝り、その場で対処できないときはすぐに上司に取り次ぐのがよい。

 上司など責任者が不在の時は、あらためてこちらから連絡する旨、ていねいに伝えることである。

 電話応対のハウツーはこのほかにもいろいろあるが、基本的なところでは、不在中の人間の行き先などは言ってはいけない。

 「何時ころ戻ります」は良いが、訪問先、あるいは当人の住所、自宅の電話番号などを不用意に明かすことは厳禁である。

 取り次ごうとしたら、当人が出たくないという合図をしていることもある。そのような場合は、機転を効かせて「申し訳ありません、先ほど外出したようです」などと平静な態度で応対してやると、後から喜ばれるだろう。

 最近は、携帯電話からかかってきて声が聞き取りにくいことも増えた。

 そのような場合は、「少々お電話が遠いようでございますが」、「お名前をもう一度お願いします」などの応対をすればよい。ストレートに「聞こえません」とか「もっと大きな声で」というのは失礼に当たる。

 話の途中で切れることも多い。この場合は、かけた方からかけ直すのが原則である。

 内容によっては、しばらく待ったうえでこちらからかけ直した方がよいこともある。

 会議中などに緊急だという電話が入ったら、相手の名前・用件などをメモにして当人に連絡する。電話をつないだまま待ってもらうか、かけ直すように言うかは状況によろう。当人に渡すのは、メモが原則である。

 お客様の前で相手の名前などは絶対に言ってはいけない。
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