サイバーテロへの備え

<サイバーテロへの備え>第5回 ハイテク犯罪とその特徴

2002/07/29 16:18

週刊BCN 2002年07月29日vol.951掲載

 ハイテク犯罪という言葉をよく耳にします。一般的には、コンピュータ技術および電気通信技術を利用、悪用した犯罪をいうのが普通ですが、警察では、統計などで分類を行う関係上、もう少し限定した定義をしています。まず1つは、コンピュータ犯罪として刑法に規定されている犯罪、それと、コンピュータネットワークを手段として利用している犯罪です。たとえば、ネット上の掲示板などを悪用した名誉毀損や営業妨害、ネットオークションを悪用した詐欺行為、わいせつな画像、児童ポルノなどのホームページへの掲載、その他も含めてネットワーク利用犯罪として、ハイテク犯罪の一部として分類しています。

 こういった犯罪の警察での認知、検挙に関する統計などの情報は、警察庁のウェブサイト(http://www.npa.go.jp)に最新のものが掲載されていますので、ぜひこちらをご覧になってください。

 これからのハイテク犯罪、ネットワーク利用犯罪の特徴は多数ありますが、とくに問題となっているものは、犯罪捜査の困難性を増す次の5点です。

 まず、ネットワーク利用者の匿名性です。匿名プロクシサーバー、いわゆる「串」を使用すれば、たいした知識もなしに身元を隠したアクセスが可能です。また、インターネットカフェなどを利用することで身元を隠すという方法もあります。

 次に、追跡が困難であるということです。最近は無料でウェブサーバーのスペースを貸してくれるサービスや、無料で電子メールアドレスがもらえるサービスなどが広く使われています。こういったサービスは厳密な身元確認を必要としませんし、海外のサービスを使われたらはっきりいってお手上げ状態です。また、即時に広範囲に情報が伝わるという点から、被害が非常に広範囲に及ぶという性質があります。

 さらに、証拠の隠滅が容易であるという点も問題です。これは、基本的には証拠となるべきものが、ほとんどすべて電磁的記録であるという点にあります。

 国際性という問題もあります。海外のサーバーを利用した場合、必要なデータの確保は無理だといっても過言ではありません。ただ、先日わが国も署名した、サイバー犯罪条約に基づき、必要な国際協力体制が構築できれば、この問題は解決に向かって大きく前進すると考えています。(警察庁情報通信局技術対策課 課長補佐 野本靖之)
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