視点

ホームネットワーク成功の鍵

2002/11/04 16:41

週刊BCN 2002年11月04日vol.964掲載

 来る2003年はホームネットワーク元年である。家電系、AV系とそれぞれで、ネットワーク製品が続々登場する。しかしネットワークって、喧伝されるほど素晴らしいものなのか。かつて家電製品は圧倒的な利便性で、AV機器は圧倒的なエンターテインメント性で、生活、趣味の定番として定着した。ネットワーク環境は、そんな「圧倒的な進歩」を提供してくれるのだろうか。

 エコーネットに代表される家電系ネットワークでは、ソフトウェアやレシピなどのダウンロード、故障自己診断、環境コントロール……などが提案され、AV系ではホームサーバーにコンテンツを蓄積し、家中どこでもユビキタス視聴ができるなどのメリットが喧伝されるが、私に言わせると、それがどうしたの、である。あの冷蔵庫、洗濯機の出始めのころのホームオートメーションへの熱気、VTRが登場した時の、タイムシフトの驚異…に比べると、迫力に大いに欠ける。

 そう、新しいネットワーク提案には、「圧倒的な御利益」が必要なのだ。ネットワークなしには、夜も昼も明けない、凄い感動が得られる、凄く楽しい…という体感的なメリットがなくてはならない。ネットワークは主役ではない。バックヤードで働くバイプレーヤーである。だからこそ、今、どのように働いているという情報が、黙示的、もしくは明示的に示されないと、ユーザーは不安でしょうがない。裏では今、いったい何をやっているのか…?と、疑念をもたれては、ネットワークはマズい。

 そんな「あるべきネットワーク」の参考になりそうな機器が、ソニーのエアチェック・サーバー、「コクーン」だ。コクーンはユーザーに代わって、ユーザーの欲しい番組を「自主的にエアチェックしてくれるというのが画期的。例えば「モーニング娘。」のファンが番組予約を忘れても、キカイが主人に成り代わり、ちゃんとエアチェックしてくれる。家に帰ると、「モー娘。の番組を録っときました。見ます?」と訊いてくる。このように、主人の意図を「忖度」する能力が、ネットワークには絶対に必要だろう。ネットワークがロボット化して、本来の意味のサーバー(召使い)にならなければならない。それこそがホームネットワーク成功の鍵である。
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