HDDそのまま棄てないで!

<HDDそのまま棄てないで!>6.各種のデータ消去方法

2002/11/11 16:18

週刊BCN 2002年11月11日vol.965掲載

 ユーザーがパソコンを廃棄・譲渡する際、HDD上の重要なデータが流出するというトラブルを回避するために、HDDに記録された全データを完全に消去して二度と復活しない状態にする必要がある。

 HDD上のデータを完全に消去するには、金槌や強磁気で物理的・磁気的に破壊して読めなくする方法と、専用ソフトウェアやデータ消去サービスを利用する方法がある。

 今回は、専用ソフトウェアを使った方法についてご説明しよう。 専用ソフトウェアを使って確実にデータを消去する標準的な方法と認識されているのは、米国防総省規格に準じたNSA標準など、以下全6種類のHDDデータ消去方法である。

・固定データ1回書き込み…
指定により“00”または“FF”をHDD全領域に書き込む方法
・指定データ1回書き込み…
指定データ(512バイト)をHDD全領域に書き込む方法
・NSA標準(米国防総省NSA規格)…
ランダムデータ1-ランダムデータ2-“00”の順に、HDD全領域に3回書き込む方法
・旧NSA標準(米国防総省NSA規格)…
“00”-“FF”-“00”-“FF”の順に、HDD全領域に4回書き込む方法
・DoD標準(米国防総省規格)…
“00”-“FF”-指定データ(512バイト)の順に、HDD全領域に3回書き込む方法
・NATO標準(NATO規格)…
“00”-“FF”-“00”-“FF”-“00”-“FF”-指定データ(512バイト)の順に、HDD全領域に7回書き込む方法

 個人あるいは企業でパソコンを使用する場合、基本的には固定パターンで1度だけ塗り潰し消去を行えば充分だが、念のため2回行えば、ほぼ完全に消去できる。

 他に米国防総省規格なども存在するが、軍関連のデータ消去は特殊な扱いとなるため、各企業または個人が同じレベルで扱われるべきではない。

 また、作業終了後に作業が正常に終了したかなどのログが残るソフトウェアを使用することをお勧めしたい。途中でなんらかのトラブルが発生し、完全に消去する前に異常終了するということも考えられるからだ。

 全ての作業が終了したかどうかを確認するためにも、ログ保存機能は重要である。

 次号では、HDDデータ消去の最新技術についてご紹介しよう。
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