数字で見る中小企業のIT天気図

<数字で見る中小企業のIT天気図>21(最終回) サーバーベンダーは「強者」と「弱者」へ分化

2003/03/31 16:04

週刊BCN 2003年03月31日vol.984掲載

 この連載も最終回を迎えた。最後を締めくくるにあたって、中堅・中小企業にとってのベンダーの位置づけを明確にしておく。

 右の図でわかる通り、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)はユーザー評価がきわめて高いが、メーカーシェアではNECに遅れをとっている。NECはほとんどの項目で日本IBMに次ぐ安定した評価を得ていることと、人・組織の信頼性の評価が高いことが特徴だ。このことはチャネル販売がユーザーに評価されていることを意味する。富士通はNECと同じ評価傾向を示すが、最近の富士通はNECと日本IBMの狭間にあり、2社との間に距離を置かれているように見える。

 一方、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)はデルコンピュータに設置シェアでも肉薄され、しかも、評価の面でもデルに押され気味で、このままでは弱者のグループ入りとなる。

 下位グループは弱者連合であり、シェアも低いし、評価も低い。つまりシェアが低いために評価を得るだけの回答が少ないとも言える。

 ただし、サン・マイクロシステムズはあまり購入を検討されていなくても、技術力とブランド力は評価されるなどの特徴がある。それ以外のメーカーには目立った特徴が見当たらない。

 安定・高評価の日本IBM、NECがトップ(強者)を形成し、新興勢力のデルがトップから遅れ気味の富士通を捕らえようとしている状況だ。(ノークリサーチ 伊嶋謙二)(終わり)
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