“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>30.アースインターシステムズ

2003/11/17 20:43

週刊BCN 2003年11月17日vol.1015掲載

 ウェブアプリケーションをもっと使いやすく――。アースインターシステムズ(上野勝社長)は、マイクロソフトの新しいオフィスシリーズ「オフィス2003」と連携するプロジェクト管理システム「PJC」を開発した。

XMLでオフィス2003と連携

 オフィス2003とはXMLを用いて連携し、今後はこの連携機能を生かしたプロジェクト分析機能を強化していく。同社は、もともと金融業向けの分析システムの構築で実績があり、この技術を応用することで、他社との差別化を図る。

 PJCは、ソフトウェア開発などのプロジェクトを管理するウェブアプリケーション。特別なクライアントソフトがなくても、通常のブラウザで閲覧・制御できる。だが、ブラウザに表示する形態では、印刷がやりにくかったり、手元にダウンロードして加工・分析しにくかったりと、使いにくい部分もある。こうした不具合を改良し、PJCとオフィスの連携を実現させた。

 「従来のオフィスでは、マクロと呼ばれるプログラムを開発する必要があり、連携するにはその都度個別の開発が必要だった。オフィス2003では、XMLによる基本的なテンプレート(ひな形)さえあれば、ユーザーが簡単に必要なデータをPJCからオフィス2003へと呼び出せる」(高津光・ソリューション営業部マネージャー)という。

 また、PJCではプロジェクトの進捗管理や採算管理をリアルタイムで把握する機能が中心だったが、これに加えて、XML連携による分析システム「PJCプロジェクトコラボレーション管理会計XMLウェブサービス版」(仮称)を、2004年1月にも製品化する。これにより、プログラマごとのバグ発生率や、開発段階別のバグ発生傾向など、より詳しい分析ができるようになる。

 これまでは、PJC本体も含めて、アースインターシステムズ自身による直販が中心のビジネスモデル。今後は、販路を増やすために他のシステムインテグレータとの協業を進める。「パートナーとなるシステムインテグレータは、PJCシリーズに、IP電話やビデオ会議システムを付加してもいいし、XMLで自前の財務会計システムと連携させてもいい」と話す。

 今年度(04年3月期)の同社の売上高約8億5000万円(見込み)のうち、PJC関連では約2億円を占める見通し。(安藤章司)
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