立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃

<立ち上がるグローバルサプライチェーン ロゼッタネットの衝撃>16.ロゼッタネットとNEC I

2003/12/15 16:18

週刊BCN 2003年12月15日vol.1019掲載

 NECは、ロゼッタネット設立当初からロゼッタネットジャパン初代代表を務めるなど、その目的・効果に注目し、活動してきた。NECは、バイヤー、セラー、ソリューションベンダーの3つの立場があり、それぞれにおいて積極的に参加している。今回は、バイヤーとしての取り組みを紹介していく。バイヤーとしては、半導体素材の調達、パソコンキーパーツの調達、パソコンCPUの調達、ネットワーク機器の調達、他社製品(PKG)の調達と広範囲に取り組んでいる。

 ロゼッタネットで定義するSM分野、EC分野において導入しており、SM分野=半導体素材の調達については、NECエレクトロニクスからフォーキャストの提示を行い、それに対してサプライヤーが納期回答を行う業務をロゼッタネットで実施している。現在は、さらに半導体工程における仕掛かり在庫の収集もロゼッタネット化を検討中である。EC分野=CPUおよびネットワーク機器については、海外メーカーとの受発注取引をロゼッタネットで実施している。

 他社製品の調達は、見積もり照会にロゼッタネットを利用しており、他社製品では、難しい価格決定から納期確定までの時間短縮に貢献している。パソコンの調達については、生産を海外のメーカーへ委託する比率が高まってきていることもあり、海外メーカーとの調達にロゼッタネットを利用している。半導体素材と同様にNECからフォーキャストの提示を行い、それに対してサプライヤーが納期回答を行う業務をロゼッタネットで実施している。

 リアルタイムのフォーキャスト-納期回答により、市場変動の大きいパソコン生産のアクセル/ブレーキ(増産・減産)に効果を発揮している。このようにバイヤーとして多面的に取り組んでいるが、NECとしては、ロゼッタネットの強みが発揮できる領域(グローバル海外取引、EDIで実現できない電子カタログ、環境情報交換、納入仕様書情報交換などの設計領域、物流・保守サービス領域)にその活用の主眼を置いている。最近では、バイヤーとして2A10と言われるPIPを使用した新規電子部品の情報収集の実験を実施したり、クロスボーダーVMIと呼ばれる3PLを使ったグローバルにまたがる2国以上のVMI取引にロゼッタネットの取り組みを検討中であり、NECも主要メンバーとして参加している。(NEC第一製造業ソリューション事業部第一営業部 ロゼッタネットジャパン運営委員 松田 務)

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