横河電機グループのワイ・ディ・シー(YDC、宮坂博社長)は、データベースの技術を使い、より付加価値の高い業務アプリケーションのビジネスで成長している。YDCは国内で最も早い1980年代初頭からオラクルのデータベースの販売を始め、すでに20年以上の経験を持つ。03年には、日本オラクルがYDCに3%資本参加している。

業務アプリで付加価値を高める

 オラクルデータベースの分野では国内屈指の実績を持っていることから、これまでは特定の業種や業務に焦点をあてずにデータベース関連のシステム構築を幅広く手がけてきた。だが、こうしたインフラ技術だけでは市場のニーズに応えることができず、新しい差別化を打ち出す必要に迫られた。

 そこで、力を入れたのがERP(統合基幹業務システム)を中心とした業務システムである。98年から住商情報システムが開発した中堅企業向けERP「プロアクティブ」の取り扱いを始め、01年からはより大規模な企業を対象とするERP「オラクルEBS」の事業に乗り出した。

 昨年は、オリジナルの会計テンプレートパッケージ「フィナンシャルエクスプレス」を製品化。短期間・低コストでの導入が可能で、すでに大手製造業向けに納入している。事業の柱として軌道に乗ってきたERPビジネスだが、社員320人のうち大半が技術者。そのため営業力が強い体質とは言えず、どうしても新規顧客の開拓には限界があった。

 そこで、01年12月、セールスコンサルティング統括本部を設置、これまで各事業部門に分散していた営業部隊を集約させた。「同業者が必ず競合するとは限らない。当社の強みであるデータベース技術を中核として、お互いに補強、協力し合う」(作前雄三・戦略企画グループシニアマネージャ)ことで、新規顧客の開拓に弾みをつける。

 昨年度(03年3月期)の売上高約67億円のうち約9割をグループ外に向けたシステム構築などが占めており、親会社への依存度は低い。このため、事業拡大には新規顧客の開拓が欠かせない。

 YDC社内では、自らの事業を「まんじゅうの皮」にたとえる。「まんじゅうのあんこは、オラクルやプロアクティブなどパッケージソフト。これをおいしく見せられるかどうかは、あんこを包む皮の形や色次第」と、これまで培ってきた技術を駆使して、顧客の食欲をそそるシステムづくりに力を入れる。(安藤章司)