未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業 

<未来を紡ぐ 挑戦するソフト開発企業>17.日本ブレーン

2005/02/28 20:43

週刊BCN 2005年02月28日vol.1078掲載

人材教育に力入れる

 日本ブレーン(菅原安広社長)は、大手ITメーカーやシステムインテグレータからの受託ソフト開発が売上高の約90%を占める。Javaに強く、金融機関や製造業、流通業向けなど開発する案件は幅広い。

 その日本ブレーンでは現在、人材確保と人材教育、そしてエンドユーザー向けのソフト開発・システムインテグレーションビジネスを強化している。

 IT投資が回復に向かっているなか、「2002年までは開発案件が減少傾向にあった。しかし今は人手が足りないほど、案件数は急増している」(菅原社長)という。

 全社員数82人のうち開発者は72人。これまでも開発体制の強化には力を入れてきた。だが、「少なくとも20人は不足している」と、優秀な技術者の確保を急いでいる。約40社のソフト開発企業を下請け先として利用しているものの、「案件数をさばききれていない」(菅原社長)という。

 開発者の人月単価は、「案件数が増えても変わらない」(菅原社長)。ただ、強力な営業体制が整備されているわけではないだけに、自然と増える開発案件に応えられるための開発体制の拡充が最大の課題だ。

 その人材確保の一環として、中途採用や下請け先の開拓だけでなく、人材教育にも力を入れている。ソフト産業の経営環境が厳しくなっても、日本ブレーンでは一貫して新卒採用を続けてきた。それだけに、すぐに即戦力につながらない社員も多く、人材教育には他社よりも重いウェートを置いている。

 研修プログラムは自社で作り、実際に教えるのも自社の社員。これは、「ソフト開発で必要な、個々の技術者の連携を養える。外部の研修プログラムを使っても、自社の環境に合わない部分が多い」(菅原社長)ためだ。

 人材確保とともに菅原社長が強化ポイントに挙げるのが、エンドユーザーに直接販売するビジネス。現在、グループウェアや顧客情報管理システムなど4つのパッケージを使ってインテグレーションビジネスを手がけている。

 ただ、その売上高は全体の10%に届かない。今のところパッケージのラインアップを増やす考えはないが、開発体制が整えば、その次に営業体制を整備し、エンドユーザーをターゲットにしたソフト開発とインテグレーションビジネスを拡大させていくことを計画している。(木村剛士)
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