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ハイテク株、上昇波動へ 海外投資家が日本企業評価

2005/10/17 16:04

週刊BCN 2005年10月17日vol.1109掲載

売買高はバブル期をしのぐ水準に

 まさに記録づくめとなっている今回の上昇相場。日経平均は9月に9.3%上昇したが、これは1999年3月の10.2%以来の大きさ。外国人と個人投資家の買い姿勢の高まりを受けて、売買高は80年代後半のバブル期をしのぐ水準になっている。

 こうした活況相場は米国市場に先導されたものでなく、日本独自の背景があっての上昇ということが注目される。

 05年度上半期(4-9月)の主要国の株価指数の上昇率を見ると、日本(16.3%)を上回ったのはインド(36.9%)、韓国(26.4%)のみで、ドイツ(15.5%)や英国(11.9%)を上回る。米国はハイテク株の比重が高いNASDAQ指数の7.1%に対して、景気敏感株の動きに左右されやすいダウ平均は0.5%とほとんど上昇していない。

 景気の本格的な回復、デフレ脱却期待、そして、雇用・設備・債務という3つの過剰問題を克服した日本企業を評価する動きが海外の投資家の間で高まっていると判断してよく、上昇トレンドはまだ続くとの見方が多い。

 人気の蚊帳の外に置かれていたセクターにも上昇が目立つ。例えばNTTドコモ。株価は20万円台に乗せ、4月の安値からは30%の上昇。地上デジタルテレビ放送対応のFOMA開発を発表、10月からは英国での提携先の02(オーツー)が「iモード」サービスの提供を開始するなど話題が多い。

 ハイテク株では村田製作所が急騰して高値を更新した。05年9月中間期の業績上方修正が好感されたが、その要因は携帯電話やパソコン向けを中心にコンデンサーや高周波部品が想定以上に伸びたため。

 特に短距離無線通信規格「ブルートゥース」用モジュールが欧州で急速に普及している。これを背景に売り上げを伸ばしたことが寄与した。(有賀勝久)
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