今年で8回目になる「BCN AWARD」の経年データは、読み解くべきほどの人が読み解けば、業界の明日につながる貴重な情報をもたらしているように思われる。

 ここまで販売実績データが蓄積されると、93の商品ジャンルそれぞれについて、来年どうなりそうかという「予断」ではなく「予測」ができるに違いないからだ。ひいては、個別企業や業界の動向(短期予測)や展望(中期予測)もできる可能性が高まった。

 第1回のときに、次のサイバネテイックスの3原則─「オープンネス」(隠さない公開性)、「オネステイ」(嘘をつかない事実性)、「ラーナビリテイ」(適正な競争をもたらす進取性)─が満たされるデータが蓄積されれば、この企画は、職場や個別企業だけではなく、業界に新風を巻き起こすかもしれないとした。この見通しは、自画自賛ではなく、的中したようである。通時的な歴史感覚と共時的な地理感覚を持ち合わせ、企画と運営にかかわった方々の努力を多としたい。

共時的地理感覚のもう一つの例は、「ITジュニア賞」である。いずれ、ITジュニア賞も継続の力で、その潜在力が発揮されることになりそうだ。

 もちろん、「読み解くべきほどの人」が読まなければ、データの山も宝の持ち腐れになるのは明らかだ。1月1日・8日・15日号の3回にわたって掲載された主要62社トップの年頭所感を拝見して、この「歴史感覚」に思いをいたしている企業はさすがだと納得した。もう一つ、「社員育成・啓育」に言及している企業にも感服した。要するに、この業界は先の見通しと社員育成が2本柱であり、この2つを抜きに、企業の中長期的発展は見込めないからだ。

 ないものねだりをすると、業界予測に関係するもう2つの情報がある。ひとつは、部品買い替えや修理の保守・保全・サービス情報である。もうひとつは、顧客の満足感にまつわる情報である。この2つは業界の先行きを占う必須の情報だ。これらは、多分同じ並びでは入手しにくいであろう。Web2・0の時節であるから、関連企業と提携するなり契約するなりして、Win─Win 関係が結べる可能性がないものかと想う。

 さらに、ITジュニア賞に参加した若い方々や関係者の、その後のキャリアがどうなったかという追跡情報も欲しい。とりわけ、彼女もしくは彼らの活躍の場がさらに広がれば、もっと嬉しい。