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総合電機の両雄に明暗

2007/04/02 16:04

週刊BCN 2007年04月02日vol.1181掲載

好調な東芝、赤字計上の日立

 日立製作所、東芝といえば総合電機の両雄だが、業績面では明暗が分かれている。日立の2007年3月期は500億円超の最終赤字となる見通しだ。HDD子会社の業績不振で巨額の株式評価損を計上するほか、原子力関連の事故処理費用が重なるためで、年間配当は06年3月期の11円から6円へと減らす。一方で、東芝は業績好調が続き、07年3月期は当期利益が1200億円(前期は700億円)に拡大する見通し。配当は06年3月期の6.5円から11円へと増配する。

 「総合電機」と称されるだけに、日立、東芝ともに手がける事業は、家電から発電機、半導体など幅広い。しかし、事業の間口は広いが収益をけん引する核となる事業を持たず、それがバブル崩壊後の低成長下で業績足踏みの要因となった。お隣の韓国ではサムスン電子が半導体などへの集中投資をバネに急成長、いまや時価総額は日立(約2兆8000億円)の3倍の水準を誇る。

 そうした状況を脱け出すために事業戦略を転換したのが東芝。半導体のNAND型フラッシュメモリに積極投資を行い、サムスン電子と肩を並べる。昨年には原子力関連の米ウィスチングハウスを買収するなど、「事業の選択と集中」に取り組んできた成果が業績面に現れてきた。

 これに対して日立は、900社を超える連結子会社数を10年度までに700社程度に減らす経営方針を打ち出しているが、株式市場が期待するのはもっとスピードを速めた改革だ。昨年にはクラリオンに対するTOB(株式公開買付)を発表してカーナビ事業の強化を打ち出す一方、今年3月には子会社のモーター事業の日本サーボ(東証2部)を事実上、日本電産に売却することを決めた。日立の株価は昨年11月の650円から今年2月に860円台まで上昇。こうした株価の動きは日立の事業再編に対する期待を示すものといえる。(有賀勝久)
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