市場では液晶とプラズマの戦いが華々しいが、商品開発の最前線では液晶、プラズマを超える次世代ディスプレイの開発合戦が激化してきた。有機ELとFED(Field Emission Display/電界放出ディスプレイ)が新たな主役だ。

 その事実が如実に分かったのが、4月11─13日に東京ビッグサイトで開催された「Display 2007」だ。昨年までは液晶、プラズマの新技術がショーの主役だったが、今年は新デバイスの話題で持ち切り。ソニーは、11型と27型の有機ELテレビを日本で初展示した。ブース正面の展示コーナーは、常時、押すな押すなの大盛況。このうち11型については2007年内に発売すると、ソニーの井原勝美副社長が講演で明言した。東芝松下ディスプレイは20・8型の有機ELディスプレイを展示。商品化は32型で数年先に行う予定という。一方、ソニーの関連会社、エフ・イー・テクノロジーズは、FEDの技術発表を行い、放送局用のマスターモニターからの事業展開を明かした。

 なぜ新しいデバイスが、これほど評判を呼ぶのか。答えは簡単。画質がこれまでの液晶、プラズマに比べて、圧倒的に素晴らしいからだ。ディスプレイとは恐ろしいもので、性能格差が誰でもひとめで確認できる。考えてみれば、画質が既存のものを上回るものでなければ、新デバイスが登場する必要はない。

 注目すべきは、有機ELとFEDのどちらも「自発光」ということだ。バックライト発光の液晶に比べ、動画特性、視野角特性、コントラスト、色再現……など、きわめて多くの点で優る。かつてのデバイスの王者であったブラウン管はほとんど死に絶え、自発光のプラズマも勢いはいまひとつで、液晶の独り勝ち状態だが、有機ELとFEDは本質的に絶対に追いつけないレベルの高画質を武器に、王者の液晶に挑戦するだろう。

 しかし、液晶も黙ってはいまい。ディスプレイデバイスは、新しいライバルが出現すると、生存本能が働いて自分自身を改良していく。液晶は斜めから見ると薄くなり、動画がぶれていたが、そんな問題に対し、各社は今、必死に改良の努力している。液晶に対してアドバンテージを持つ新デバイスが出てきたら、彼らのセールスポイントをなんとか取り入れることで、生き残りを図ろうとするだろう。

 2007年、新たなディスプレイ戦争の始まりである。