「人」に関わる検索技術

 SBIホールディングス(北尾吉孝執行役員CEO)の子会社のSBI Robo(渡部薫CEO)は、今年1月にビジネス向けのソーシャルサーチサービス「SBI Business」を提供開始した。すでに5万人を超えるユーザーを獲得し、好調だ。同社はもともと、ソフトバンクBBの子会社「Softbank Robo」として06年に設立された、検索技術を開発するために立ち上がったベンチャー企業だ。

 SBI Roboの前身はソフトバンクBBの子会社「SoftBank Robo」。グーグルへの危機感から検索技術を開発する会社として06年に立ち上がった。だが、同じソフトバンク傘下のインターネットサービス会社、ヤフーと事業が競合してしまうことから、ソフトバンクグループから離脱した経緯がある。渡部CEOがSBIと交流があったことから、06年にSBIホールディングスの傘下に入り、その後検索技術を手がける、ノルウェーのファスト&トランスファの出資を受けて合弁企業として新たなスタートを切った。

 「当時は動画などマルチメディアの検索技術も開発していた。だが、SBIでは金融系の検索ソリューションを開発するようになった」(森田真一・執行役員CTO)。今も開発を続けているのが銘柄検索サービス「イーサーチ」だ。

 SBIホールディングスはネット証券の最大手「SBI証券(旧SBIイー・トレード証券)」を抱えている。これまでは銘柄を検索するのに、正確な社名か証券コードを知っている必要があった。曖昧なまま検索すると企業情報にたどりつけなかったのだ。SBI Roboはこうした不便さを解消し、一般的な用語でも銘柄情報を導き出せるようにした。例えば「関連キーワードとして『iPhone』と検索窓に入力すると、通信事業者の銘柄や、部品を供給している関連企業の銘柄情報を芋づる式に検索できる」(森田氏)という。
 それまでとは畑が違い、用語の問題などにも悩まされた。「検索エンジンは、検索キーワードがヒットしない時もログが残る。そのログをユーザーの使い方とのギャップを埋めるための改善に利用している」という。

 同社では、こうした開発に携わるなかで、次に同社の検索テクノロジーが生かせるのはどんな分野か模索した。「検討を重ねて、『人』を探すことがキーになるもの、という結論に行き着いた」ことから、個人の情報を正しく伝えるプロフィールを作成し、人と人をつなぐビジネス向けのソーシャルサーチサービス「SBI Business」の開発に携わることになった。(鍋島蓉子●取材/文)